2014 Fiscal Year Annual Research Report
ガ類のメス及びオス性フェロモン交信システム進化のダイナミクスを探る
Project/Area Number |
23248008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 幸男 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60125987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 隆嗣 東京大学, 農学生命科学研究科, 准教授 (70301223)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アワノメイガ類 / フェロモン交信系 / 不飽和化酵素 / 進化 / ヘアーペンシル / 嗅覚受容体 / フェロモンリセプター |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪酸の直鎖部分に二重結合を導入する酵素 fatty acyl-CoA desaturasesの発現制御はガ類において、種特異的な性フェロモンの生合成に決定的に重要な役割を果たしている。アワノメイガ類では、二種類のΔ11-desaturasesと1種類のΔ14-desaturaseが性フェロモンの生合成において選択的に利用されていることが知られている。二種類のΔ11-desaturaseのうちの一つZ/EΔ11は、ヨーロッパアワノメイガO. nubilalisとアズキノメイガO. scapulalisから同定されたが、この酵素は脂肪酸の第11位にZ体とE体の両方の二重結合を形成する。これに対し、ウスジロキノメイガO. latipennisから同定されたLATPG1(=EΔ11) は、第11位にE 体の二重結合だけを形成する点が異なっている。レトロポゾン(ezi) の挿入によって不活性化されたと考えられていたΔ11-desaturase 遺伝子ezi-Δ11α がO. nubilalisとアワノメイガO. furnacalis から発見されていたが、我々はlatpg1がezi-Δ11αのオーソログであることを見出した。そこで、今度は逆に、O. latipennisのゲノム中にZ/EΔ11 のオーソログが存在するかどうかを探索した。その結果、我々はO. latipennisのゲノムから新たに2つのΔ11-desaturase遺伝子latpg2、latpg3を発見したが、これらはezi-Δ11β、Z/EΔ11のオーソログであった。latpg1の遺伝子のintron 1にはezi様の因子が挿入されていたが、O. latipennisの性フェロモン腺では、latpg1 だけが特異的に発現していることを再確認した。したがって、O. latipennisのゲノムには少なくとも3つのΔ11-desaturase遺伝子が存在し、O. latipennisではlatpg1が選択的に転写されていることが明確となった。O. nubilalisとO. furnacalisにおけるezi挿入型の不飽和化酵素が不活性なのは、ezi またはezi 様因子の挿入の直接の結果ではないのかもしれない。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)