2011 Fiscal Year Annual Research Report
クルマエビ類の生体防御機構と病原微生物間の相互作用に関する免疫・ゲノム科学研究
Project/Area Number |
23248029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
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Keywords | クルマエビ / 生体防御 / RNA干渉 / ノックダウン / ウイルス遺伝子ホモログ / 抗菌タンパク質 / マイクロアレイ |
Research Abstract |
我々がこれまでにノックダウンすることによりクルマエビが斃死することを確認している抗菌タンパク質のc型リゾチウムおよびペナエジンについて遺伝子をノックダウンするとクルマエビは死に至ることから、生存に必須のタンパク質であることが明らかになった。また、i型リゾチウムおよびクラスチンをノックダウンしたところクルマエビの生存に影響は無かった。さらに、病原細菌であるVibrio penaeicidaあるいはホワイトスポット病ウイルス(WSSV)を用いた感染実験において、対象区とした2本鎖GFP-RNA接種区と死亡率に差はなく、これら分子は免疫、生体防御にとって、重要ではないことが示唆された。マイクロアレイを用いた網羅的遺伝子発現解析により、2本鎖RNAを接種した際に種々の遺伝子発現に変動があることを明らかにした。これら遺伝子は既知の配列と相同性を示すものは無く、新規の遺伝子群であることが示唆された。現在のマイクロアレイには約5千個の配列が搭載されているが、この数を増やすために大規模遺伝子発現配列解析を実施し、これまでに約1万5千のユニークな配列を同定した。平成24年度にはクルマエビのマイクロアレイを大幅にバージョンアップ出来ることとなった。クルマエビゲノム中に存在するWSSV遺伝子類似配列はこれまでに31個みつかった。これらの遺伝子の多くはWSSV感染により発現が誘導されたことから、WSSV感染に関与していることが示唆された。さらに、WSSV遺伝子類似配列の一部には、WSSV感染に重要な分子であることがRNA干渉法によるノックダウンにより明らかに出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
得られた成果から概ね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね当初の予定通りに進める予定であるが、クルマエビ体内細菌については複数種存在することから、今後は対象とする細菌種について絞り込んで行く必要があると考えている。ゲノム解析については解析機器類の高度化に伴い、解析スピードや解析数が予定より早く多くなることが予想されるとともに、最新の解析手法が利用出来る可能性がある。
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Research Products
(13 results)