2013 Fiscal Year Annual Research Report
クルマエビ類の生体防御機構と病原微生物間の相互作用に関する免疫・ゲノム科学研究
Project/Area Number |
23248029
|
Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
廣野 育生 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 教授 (00270926)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 秀裕 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (20314635)
糸井 史朗 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (30385992)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | クルマエビ / WSSV / ホワイトスポット病 / マイクロアレイ / RNA干渉 |
Research Abstract |
(1) マイクロアレイを用いた大規模遺伝子発現による免疫機能の解明 昨年作製した約1.5万のユニーク配列を搭載したオリゴマイクロアレイを用い、クルマエビ長鎖2本鎖RNAおよび21塩基の短鎖RNAを接種し、経時的に血球の遺伝子発現を解析したところ、長鎖RNAと短鎖RNAでは応答する遺伝子に違いがみられるとともに、病原微生物に対する抵抗性にも違いが認められた。長鎖RNAを接種した場合の方が病原微生物に対する抵抗性は高く、発現応答する遺伝子数も多いものであった。 (2) クルマエビゲノムに存在している病原ウイルスWSSVの遺伝子ホモログの機能解析 クルマエビゲノムに存在するWSSVホモログの頻度を推察するために、クルマエビゲノムを数倍カバーする程度でゲノム配列を解読したところ、ゲノムライブラリーから推定した頻度より低いことが示唆される結果となった。クルマエビ類のゲノム中に存在する巨大繰り返しユニットにコードされているWSSVの遺伝子ホモログ23種類と病原ウイルス感染との関係を明らかにすることを目的とし、昨年度は感染実験を主として検討したが、今年度はこれらホモログ遺伝子ノックダウン後にWSSVを感染し、ウイルスの増殖についてウイルスゲノムのコピー数を定量的に測定するとともに、感染試験も行った。23種類のホモログ遺伝子のうち、2種類の遺伝子をノックダウンすることにより、クルマエビのWSSV抵抗性に変化がみられるとともに、ウイルス増殖量にも違いが見られ、これら2種類のホモログ遺伝子がWSSV感染に何らかの関係があることが示唆された。さらに、今年度はこれら2種類のホモログに対する抗体を作製したことから、来年度はタンパク質レベルでの解析が可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
クルマエビゲノムに存在するWSSV遺伝子ホモログとWSSV感染との関係性がみえて来たことや、長鎖RNAを接種することにより病原微生物に対する抵抗性が上昇し、遺伝子発現応答も確認出来たこと等が研究計画通りに進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
RNAノックダウン研究以外にも抗体によるタンパク質の解析も可能になってきたことから、より詳細にWSSVとそのホモログ遺伝子の相互作用を解明することが可能になると考えている。
|