2012 Fiscal Year Annual Research Report
データ同化による越流侵食リスクに基づく農業水利施設（群）のアセットマネジメント
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23248040
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
村上 章 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80157742)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 伸一 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (30198501)
柴田 俊文 松江工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (30342546)
藤澤 和謙 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (30510218)
小林 晃 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (80261460)
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| Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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| Keywords | データ同化 / 侵食予測モデル / リスク / ため池 / アセットマネジメント / LCC |
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| Research Abstract |
堤体維持管理のための内部診断にサウンディングを中心とした調査手法の適用をはかり、平成24年度においてN値のほか、堤体強度の空間分布を詳細にモデル化する手法を提案した。地盤強度をはじめとする、さまざまな土質定数を推定するため、標準貫入試験 (SPT) によるN値が計測される。本年度では、SPTによるN値を基準とする一方、サウンディング試験としてより高精度・高密度の情報を得るため、6成分電気式コーン貫入試験（CPT)を実施した。CPTは静的試験であるため、実施の簡便さという点で難点がある。そこで、簡便手法として簡易動的コーン貫入試験（DCP）を同時に実施し、CPTやSPTとの相関性を検討した。
■現地試験概要 京都府内の老朽化したため池堤体を試験サイトとして設定した。堤体の材料はまさ土で、静的サウンディングでも十分貫入可能な強度である。堤体天端上を縦断方向に試験実施点を5m間隔に、合計10点設定した。DCPについては、CPTと同じ計測点上を10m間隔に実施した。5～10mは地盤の水平方向の相関性を知るのに、最大限界の間隔と考えられる。深度方向には堤体高さと思われる6m深まで試験を実施した。試験の結果、堤体内部の層構造や詳細な強度分布を知ることができた。
■堤防越流侵食の実験 平成23年度に引き続き、堤体被害に直接的に関係する破堤幅の予測を目的に、堤体越流侵食の三次元実験に取り組んだ。実験装置・方法は23年度と同様であり、24年度は2度の実験を行い実験データを蓄積した。具体的には流量を130～160 l/minに設定し、流入量・貯水位・残留土砂量を計測することで、越流ハイドログラフと決壊幅を測定した。
■データ同化による堤体内部欠陥箇所の同定 表面の複数点における変位計測結果から、粒子フィルタと有限要素法により緩み域の同定を可能とした。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度主要設備備品を用いて、京都府下ため池堤体の原位置を順調に遂行した。当初予定した内容・スケジュールで実験を実施し、計測データの解析を行った。成果について平成25年度に学会発表を行う予定である。水路を用いた表面侵食の実験も順調に実施し、やはり成果を学会大会や支部発表会にて発表する予定である。さらに、外国人研究者招へい（短期）で39日間招聘したTexas A&M大学Biscontin准教授を連携研究者に加え、研究の一層の進展を図った。一方、データ同化による堤体内部欠陥箇所の同定について検討し、表面の複数点における変位計測結果から、粒子フィルタと有限要素法により緩み域の同定を可能とした。この成果は審査付き論文集に公表した。
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| Strategy for Future Research Activity |
本年度購入予定の設備備品を用いた実験計画について、岡山大学で検討会を行った。初年度購入設備による実験の継続も含めて、次回の検討会で本年度の研究推進に関する具体案を作成する。平成25年度は岡山県内のため池堤体についても、原位置試験を実施する予定である。一方、内部情報に基づいた内部侵食進展予測プログラム・越流侵食解析プログラムの開発は進行中であるが、今後検討を深めて国際ジャーナルへ発表する。
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