2013 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内主要ATP分解酵素VCPの機能とその調節機構の解析
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23249016
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
垣塚 彰 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (80204329)
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Project Period (FY) |
2011-05-31 – 2014-03-31
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Keywords | 酵素 / 胞・組織 / ストレス / 蛋白質 |
Research Abstract |
本研究では、ATPaseの中で最も豊富に存在するVCPが果たす細胞・生体での生理機能及び神経変性など病態での役割とその調節機構を解明することを目的とし、以下の諸点を明らかにした。 1) 我々が開発したVCPのATPase阻害剤(KUSs:Kyoto University Substances)は、100~300nMのIC50でVCPのATPase活性を阻害するが、VCPのノックダウンによって認められる細胞周期の停止、ERADの阻害、細胞死等は全く観察されない。よって、KUSによるVCPのATPase活性の抑制は、VCPの細胞での機能阻害を誘導しないことが明らかになった。 2) 培養細胞で、VCPは脂肪が欠乏するとファイバー状の構造物を形成し、その時、ATPの消費速度が、20%近く減少する。従って、細胞質でのVCPは、総ATPの消費の20%程度を担っていることが示唆された。 3) グルコース除去やツニカマイシン処理時にも、細胞内のATP量の減少が引きこるがその減少をKUSが抑制することを明らかにした。さらに、KUSはグルコース除去やツニカマイシン処理で誘導される細胞死を抑制することを見いだした。 4) グルコース除去やツニカマイシン処理で誘導されるERストレスが、KUSのみならずATPや膜透過性のピルビン酸によって抑制される事を見いだした。この結果は、ER内のATPの低下がERストレスを誘導している可能性を強く示唆している。 5) ショウジョウバエのsiRNA発現ラインのスクリーニングで、ポリグルタミンの蓄積による神経変性を抑制する2系統のsiRNA発現ラインを得た。この時、VCPの核移行が抑制され、さらにヒストンのアセチル化の低下が抑制されており、これら2つの遺伝子産物がポリグルタミン蓄積時でのVCPの核移行に関与していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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