2011 Fiscal Year Annual Research Report
過栄養状態の肝臓が産生するタンパクと生活習慣病の関連
Project/Area Number |
23249042
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
金子 周一 金沢大学, 医学系, 教授 (60185923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篁 俊成 金沢大学, 医学系, 准教授 (00324111)
本多 政夫 金沢大学, 保健学系, 教授 (00272980)
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Keywords | ゲノム / 発現制御 / 肝臓 / 栄養 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
本研究では、過剰に摂取される栄養による全身の影響、とくに、過栄養によって肝臓の機能が大きく障害されていることを、遺伝子・タンパク・脂質の系統的な解析から明らかにし、その病態を研究している。我々が明らかにした肝臓から産生される新規のタンパク(ヘパトカイン)であるセレノプロテインPの研究をすすめ、糖尿病の病態を悪化させる機序を解析している。 インスリン抵抗性の機序のひとつに脂肪組織におけるマクロファージの動態が重要であるとされている。我々はマクロファージの動態に重要なケモカインとの関連を検討した。ケモカインCCR5の-/-マウスはインスリン抵抗性から保護されており、マクロファージの関与が少ないことを示した。さらにCCR-/-マウスの骨髄を移入することによっても耐糖能障害が回避されることを示した(Diabetes2012)。 我々がヘパトカインと銘々したセレノプロテインPが及ぼすアディポネクチンとの関連を検討した。2型糖尿病患者においては、セレノプロテインP値はアディポネクチンと負に相関しており、年齢、体重、インスリン感受性と独立していた。セレノプロテインP-/-マウスにおいてはアディポネクチン値が上昇していた(Plos One2012)。このようにセレノプロテインPは脂肪組織に働いて、インスリン抵抗性、動脈硬化と関連するアディポネクチンの制御に関与する可能性が示唆された。 脂肪肝の患者における脂肪組成を測定し、DNAチップを用いて測定した発現遺伝子との関連、インスリンクランプを含めた解析によるインスリン抵抗性との関連についてデータベースを作成し、肝臓の脂肪化が及ぼす、インスリン抵抗性への影響の解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおりの研究を実行することができている。得られている成果も再現性が高く論文の発表もできている。
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Strategy for Future Research Activity |
計画どおり、ヘパトカインであるセレノプロテインPの構造解析および機能解析をさらに進めたい。また、新規のヘパトカインの同定を行いたい。脂肪肝の意義について、動物モデル、臨床材料を進めていきたい。これらの研究計画に変更はない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Endoplasmic reticulum stress inhibits STAT3-dependent suppression of hepatic gluconeogenesis via dephosphorylation and deacetylation2012
Author(s)
K Kimura, T Yamada, M Matsumoto, Y Kido, T Hosooka, S Asahara, T Matsuda, T Ota, H Watanabe, Y Sai, K Miyamoto, S Kaneko, M Kasuga, H Inoue
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Journal Title
Diabetes
Volume: 61(1)
Pages: 61-73
DOI
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