2012 Fiscal Year Annual Research Report
空気圧駆動式ウェアラブル人工心臓システムの実用化研究
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23249065
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
本間 章彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (20287428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
妙中 義之 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 副所長 (00142183)
巽 英介 独立行政法人国立循環器病研究センター, 人工臓器部, 部長 (00216996)
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00307670)
大越 康晴 東京電機大学, 理工学部, 助教 (10408643)
武輪 能明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 人工臓器部, 室長 (20332405)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 全人工心臓 / 補助人工心臓 / ウェアラブル / 駆動装置 / 空気圧駆動式 |
Research Abstract |
(1)補助人工心臓(VAD)について 前年度までに構築したウェアラブル駆動装置のプロトタイプを用い、模擬循環回路および慢性動物実験による性能評価を行った。模擬循環回路において前負荷を10mmHg、後負荷を80~120mmHgに設定し、ダイアフラム型血液ポンプ(一回拍出量70mL)を用いて拍動数を60~100bpmで駆動したところ、拍動数100bpmにおいて6L/min前後の拍出流量を実現し、SD比35%の駆動装置では、平均消費電力は10.7~19.7Wであった。同じくSD比35%の駆動装置を用いて、前負荷10mmHg、後負荷100mmHg、拍動数70bpm、平均ポンプ拍出流量4.3L/minとした時に、平均消費電力は14.5Wであり、5時間21分の電池駆動時間を実現した。また仔牛(体重72kg)を用いた慢性動物実験を行った。左心室脱血大動脈送血とし、拍動数を70bpm、SD比は40%とした。実験継続期間である28日間の平均補助流量は4.1±0.4L/minであり、血行動態も良好に維持された。駆動装置の平均消費電力は13.3±0.4であり、動作に関して特に問題を認めず、安定な駆動が可能であった。 (2)全人工心臓(TAH)について 仔牛(体重98㎏)用いた急性動物実験を行った。ダイアフラム型血液ポンプを使用し、左右血液ポンプの容量はそれぞれ180mL、200mLとなっている。また弁には二葉弁を使用した。左血液ポンプをSD比35%、右血液ポンプをSD比44%の駆動装置により駆動し、血行動態の維持が可能であるかどうかについて評価を行った。左血液ポンプの拍出量は、平均大動脈圧108~115mmHgにて4.3~5.2 L/minであり、右血液ポンプの拍出量に関しては、平均肺動脈圧13~17mmHgにて3.9~5.4 L/minであった。また消費電力は左右共に5.3~17.6 Wであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)補助人工心臓(VAD)について 構築したプロトタイプ駆動装置を用いた、模擬循環回路による拍出流量特性、消費電力特性の評価を実施し、さらに、計画していた慢性動物実験による性能評価までを実施することができた。 (2)全人工心臓(TAH) 構築したプロトタイプ駆動装置を2台使用し、計画していた急性動物実験による性能評価までを実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)補助人工心臓(VAD)について 模擬循環回路実験、慢性動物実験による駆動装置の評価結果を踏まえ、問題点の抽出、改善と改良に取り組む。特にSD比可変機構を備えた駆動装置の試作を行い、その性能評価に着手する。さらに周辺技術として、拍出流量推定や警報装置の検討も合わせて実施する。 (2)全人工心臓(TAH) 急性動物実験による駆動装置の評価結果を踏まえ、問題点の抽出、改善と改良に取り組む。SD比可変機構を備えたツイン化駆動装置の試作を行い、その性能評価に着手する。左右拍出流量制御方法の検討も合わせて実施する。
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