2012 Fiscal Year Annual Research Report
次世代質量分析による癌個別的ゼノグラフトの双方向的解析からの革新的診断治療シーズ
Project/Area Number |
23249073
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小川 修 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90260611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神波 大己 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20402836)
井上 貴博 関西医科大学, 医学部, 助教 (80511881)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 患者癌組織由来xenograft / 前立腺癌 / 腎細胞癌 / 治療抵抗性 / 網羅的遺伝子解析 / 次世代質量分析 / 革新的診断・治療シーズ |
Research Abstract |
【新規前立腺癌xenograftモデルの樹立】治療抵抗性前立腺癌(CRPC)変異獲得xenograftモデル(KUCaP-1,-2,-3)に加えて、新規に2系統の前立腺癌xenograftモデルを樹立した。現在、それらの解析を進めている。 【嚢胞を形成する前立腺癌臨床検体由来Xenograftの嚢胞液および血清の質量分析によるバイオマーカー候補分子の同定】前年度に同定された新規バイオマーカー候補分子について、本研究室で蓄積してきた前立腺癌の臨床サンプルを用いて免疫組織学的染色を行い、発現を検証した。現在、その分子の前立腺癌における役割を機能解析中である。 【腎細胞癌臨床検体由来XenograftへのSunitinib投与による抵抗性モデルの作成】前年度までに作成したSunitinib抵抗性xenograftのうち、1系統に対し抵抗性となった腫瘍を新たに免疫不全マウスに移植した結果、当初はSunitinibに対して感受性を回復していたが、継代を重ねるうちに全く奏功しない完全抵抗性となった。 【治療抵抗性獲得前後での腫瘍組織内mRNAの網羅的遺伝子解析】前述の腎細胞癌Sunitinib抵抗性モデルにおいて、抵抗性群およびコントロール群における腫瘍を摘出し、腫瘍組織内RNAを抽出、マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析を行った。この結果、抵抗性獲得に関与する可能性のある遺伝子を複数抽出し、定量的PCRにより確認した。 【標的分子の機能解析】前述の遺伝子に対し、発現抑制および強制発現の実験系を作成。腎癌細胞株に導入し、マウスに移植、Sunitinibを投与し、Sunitinibに対する感受性が変化することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前立腺癌においては、さらに新規の臨床検体由来xenograftを2系統樹立し、解析中である。また、KUCaP3の嚢胞液および血清の質量分析により抽出した候補分子の免疫組織学的染色を行い、前立腺癌臨床検体における発現を確認し、新規バイオマーカーとしての有用性を検証中である上に、機能解析によりその分子の役割を解析中である。 腎細胞癌においては、Sunitnib抵抗性モデルの網羅的遺伝子解析から、標的分子の絞り込みおよびその機能解析まですすんでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
前立腺癌、腎癌ともに、網羅的遺伝子解析の結果から、候補分子を抽出し、その機能評価をおこなうことにより、治療抵抗性のメカニズムの解明を試みる。 また、次世代質量分析による高感度検出装置を用いて、Xenograftおよび臨床検体の解析を行い、従来の網羅的解析ではとらえきれなかった微量なタンパク質の発現の変化などを探索し、治療抵抗性のメカニズムの別の角度からの解明を試みると同時に、新たな診断シーズの開発につながる分子の同定を試みる。 さらに、前立腺癌においては、正常人と前立腺癌患者の尿検体の質量分析を行い、PSAを補完しうる新たな尿中バイオマーカーの同定も行っていく予定である。
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