2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23249075
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
和氣 徳夫 九州大学, 環境発達医学研究センター, 特任教授 (60091584)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野間 和夫 九州大学, 大学病院, 助教 (30380413)
劉 格 九州大学, 学内共同利用施設等, 研究員 (50647998)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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Keywords | MDM2 / SNP / AHR / NF1C |
Research Abstract |
1) MDM2 309 G/G遺伝子型はP53コドン72 Arg/Arg遺伝子型との組み合わせにより子宮体癌発症のオッズ比を有意に(2.53)増大する。このため、G/G及びT/T遺伝子型ではP53応答性MDM2発現が異なるのではないかと示唆された。正常線維芽細胞を用い、CDDP処理によるDNA損傷時のMDM2 P1及びP2プロモータ活性の変化をG/G、G/T、T/T遺伝子型別に解析し、Allelic Expression Difference (AED)の存在について解析した。しかし、いかなる条件下においてもアリル特異的P53応答性MDM転写の変化は観察されなかった。 2) ダイオキシン類存在下でのAHR mRNA及び蛋白発現はC/C型に比較しT/T型でそれぞれ1.7、2.0倍の増大が示された。-130bpAHR遺伝子C/C及びT/T型を有する線維芽細胞をDMSOまたはTCDD処理し、24時間後RNAを抽出し、マイクロアレイ解析を行った。24遺伝子はC/C及びT/T両遺伝子型で共通に発現変化することが判明した。そのうちIL24、EDNRBはT/T型で有意な発言亢進が見られた。SERPINB2はT/T型でC/T型を比較し有意に発現低下していた。AHRはIL24とEDNRB発現を間接的に亢進させ、下流PKC/METFやJAK/STATシグナルを介してコーラーベービーや様々な皮膚疾患の発症に関与することが示唆された。またAHRはSERPINB2発現を亢進しuPA/ tPA/ plasminシグナルを抑制することが明らかになった。T/T型ではSERPINB2発現がC/C型に比し有意に抑制されるためPROMや早産のリスクが亢進すると示唆された。 3) 倫理委員会の承認のもと、油症患者220名を対象にAHR遺伝多型解析を行った結果、10歳階級別の年齢分布で性差があり高齢女性においてT/T型が著しく少なかったこと、T/T型には癌の既往歴のある方が存在しなかったことが明らかになった。このことからT/T型女性は癌で早期に死亡する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AHR下流に存在し、コーラーベービー、皮膚疾患、早産やPROMの病態に関与するシグナル伝達を明らかにした。さらにAHR T/T遺伝子ではNF1C転写抑制因子の結合サイトが消失し子宮内膜癌細胞にEMTを誘導することも明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
1) AHR遺伝子下流でがん発症、その予後不良さらには油症患者のコーラーベービーや皮膚疾患、早産、PROM発症に関与するシグナルを同定しAHR-130bp T/T型がこれらの病態形成にいかに関与するかを明らかにする。環境中には高濃度のDioxnの存在が指摘されているため新生児2000名のAHR遺伝子型を決定し、T/T型新生児の健康調査を前方視的に長期間実施する 2) MDM2 -470C/T bpSNPのMDM2機能に及ぼす影響について解析する。
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