2011 Fiscal Year Annual Research Report
幹細胞への時空間的介入による雌性生殖器官の再構成と機能制御
Project/Area Number |
23249076
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
吉村 泰典 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (10129736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 哲夫 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10209702)
内田 浩 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90286534)
山崎 彰子 慶應義塾大学, 医学部, 研究員 (60528777)
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Keywords | 幹細胞 / 再生医学 / 子宮 / 疾患モデル |
Research Abstract |
本研究では、in vivoでの雌性生殖組織・器官再構成系において、その一要素である幹細胞に対して時空間的に遺伝子改変・細胞位置改変といった介入をすることにより、正常と異常(疾患)の再構成とその技術の臨床応用を目指す。 平成23年度は、我々が確立した子宮内膜再構成・子宮内膜症モデルとイメージングシステム(Masuda,et al,PNAS,2007)をさらにブラッシュアップしていくとともに、内膜幹細胞(Masuda,et al.,PLoS ONE,2010)のみをマーキングし非幹細胞とともに移植することで、幹細胞が子宮内膜の各細胞成分(腺上皮、間質、血管など)へどのように分化あるいは貢献していくかを、免疫組織化学も含めた細胞トラッキング技術を用いて調べた。これまでの再構成系は移植部位であるマウス腎臓を穿通させて行っていたが、極めて高度の技術を要し困難を極めた。そこで、本年度は穿通させずに移植する方法の開発に着手し、その技術を確立し得た。続いて、内膜幹細胞の候補集団である内膜SP細胞および非内膜幹細胞にそれぞれマーカー遺伝子を導入してそれぞれを標識した。これらを、大多数の非標識内膜細胞と混在させて、前述した方法を用いて重度免疫不全マウスの腎被膜下に移植し内膜再構成を行った。その結果、標識SP細胞の移植によって再構築された内膜では、標識蛋白陽性細胞が内膜の各構成細胞(腺上皮、血管内皮、間質など)に認められたが、標識非幹細胞の移植によって再構築された内膜では、標識細胞は腺上皮や血管内皮には存在せず、主に間質のみにしか認められなかった。以上より、内膜SP細胞の多分化能が示され真の内膜幹細胞の特性を有することが明らかになった。さらに、本トラッキングシステムが想定通りに機能したことで、幹細胞特性のin vivo評価システムとしての有用性も示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レンチウイルスを用いてマーカー遺伝子を恒常的に子宮内膜幹細胞(今回は内膜SP細胞)へ組み込むシステムをほぼ確立し得たことと、この少数の標識幹細胞と大多数の非標識非幹細胞群を混在させて内膜を再構成した結果、想定通りの幹細胞の追跡が可能となった。この実験条件に基づくことにより、その他の組織の再構成システムでも同様のトラッキングが可能となるため、(2)本研究はおおむね順調に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
子宮内膜再構成系における幹細胞トレーシングシステムをさらにブラッシュアップしていくとともに、この基盤知見・技術に基づいて、他の組織再構成系へ応用する。さらに、マーカー遺伝子の組み込みだけでなく、時空間的介入を可能にするために、機能遺伝子の導入にも着手する。
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Research Products
(14 results)
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[Presentation] Contribution of myometrial stem/progentior cells to pregnancy-induced uterine remodeling2011
Author(s)
Masanori Ono, Tetsuo Maruyama, Takashi Kajitani, Hiroshi Uchida, Hideyuki Oda, Sayaka Uchida, Toru Arase, Akiko Yamasaki, Takashi Nagashima, Hirotaka Masuda, Yasunori Yoshimura
Organizer
2nd World Congress on Reproductive Biology(WCRB)
Place of Presentation
Cairns, Australia
Year and Date
20111009-20111012
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[Presentation] Identification of a novel endometrial gene associated with menstruation, endometriosis and adenomyosis2011
Author(s)
Tetsuo Maruyama, Takashi Kajitani, Hideyuki Oda, Kaoru Miyazaki, Sayaka Uchida, Akiko Yamasaki, Hironori Asada, Hiroshi Uchida, Yasunori Yoshimura
Organizer
11th World Congress on Endometriosis (WCE)
Place of Presentation
Montpellier, France
Year and Date
20110904-20110907
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[Presentation] Possible involvement of UDP-glucose and its recepter P2RY14 in embryo implantation2011
Author(s)
Toru Arase, Tetsuo Maruyama, Hiroshi Uchida, Kaoru Miyazaki, Hideyuki Oda, Sayaka Uchida-Nishikawa, Maki Kagami, Akiko Yamasaki, Kayoko Tamaki, Yasunori Yoshimura
Organizer
27th European Society of Human Reproduction & Embryolosy (ESHRE)
Place of Presentation
Stockholm, Sweden
Year and Date
20110703-20110706
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[Presentation] CD93 and CD31 as possible candidate markers for human endometrial stem/progenitor cells2011
Author(s)
Kaoru Miyazaki, Takashi Kajitani, Hirotaka Masuda, Toshio Hamatani, Hideyuki Oda, Akiko Yamasaki, Sayaka Nishikawa-Uchida, Hiroshi Uchida, Yasunori Yoshimura, Tetsuo Maruyama
Organizer
9th International Society for Stem Cell Research (ISSCR)
Place of Presentation
Tronto, Ontario Canada
Year and Date
20110615-20110618
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