2013 Fiscal Year Annual Research Report
口腔消化管味覚センサーのシグナル調節・伝達機構の解明
Project/Area Number |
23249081
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
二ノ宮 裕三 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (50076048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
重村 憲徳 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (40336079)
實松 敬介 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (70567502)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 口腔消化管味覚センサー / 食欲調節液性因子 / レプチン / エンドカンナビノイド / インクレチン / 遺伝子多型性 / 味覚感受性 |
Research Abstract |
本研究は、1)食欲制御因子レプチン(Lep)とエンドカンナビノイド(eCB)の拮抗的味覚感受性調節機構、2)腸管内分泌細胞のそれら因子による感受性調節機構、3)味特異的神経伝達への消化管ホルモンの関与、4)甘味うま味受容体遺伝子の多型性と味覚感受性の連関、の解析を進めることによって、摂食・栄養吸収に協調して働く、口腔消化管味覚センサーのシグナル調節・伝達機構を解明することを目的とする。 本年度の研究により、1) 摂餌性肥満マウスの味神経甘味応答へのLepの効果は血中Lep濃度の上昇(~20ng/ml)により低下し、低下後にeCBの効果が顕在化し上昇したことから、eCB効果はLep抵抗性の発現亢進に伴い増大することが示唆された。 2) 腸管内分泌細胞STC-1におけるLepの甘味抑制効果は、KATPチャネルの拮抗薬投与により変化した。また、Lepは甘味によるGLP-1分泌は抑制するが、苦味による分泌は抑制しなかった。以上より、LepはKATPチャネルに働き、甘味応答を抑制し、GLP-1分泌を低下させる可能性が示唆された。 3) GLP-1受容体欠損系マウスは野生型と比べ、味神経及び行動実験で甘味応答が特異的に低下していた。単一味細胞への甘味刺激によりGLP-1が分泌され、味蕾全体においても甘味刺激特異的にGLP-1が分泌され、苦・酸・塩味刺激では分泌が起こらなかった。血中GLP-1投与は味神経終末を刺激し甘味応答線維に応答が見られた。以上より、GLP-1が甘味伝達に関与することが示唆された。 4) 496名の健康成人の各種味覚認知閾値とGLP-1受容体遺伝子のSNPsとの連関を調べ、アミノ酸変異を伴う2ヶ所のSNPsが甘味認知閾値と連関することを見出だした。ヒトにおいてもGLP-1が甘味に関与することが示唆された。これらの結果をまとめ、現在論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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