2011 Fiscal Year Annual Research Report
口腔組織特異的免疫応答と免疫寛容の制御メカニズムの解明
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23249082
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 建州 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80435635)
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Keywords | 免疫学 / 歯学 / 樹状細胞 / 口腔粘膜 / 歯髄 / 歯肉 |
Research Abstract |
サブテーマ1,口腔粘膜樹状細胞サブセットの動態と機能の解析:マウス頬粘膜にFITC塗布後の所属リンパ節に遊走する口腔粘膜由来樹状細胞サブセットを表面抗原の違いから4サブセットに分類することができた。また、各サブセットにおける免疫機能補助シグナル分子発現レベルと遊走時期の違いから、機能的な違いを予測した。サブテーマ2,舌下免疫療法における免疫抑制メカニズムの解明:舌下粘膜にFITCあるいはOVA塗布後の舌下粘膜における樹状細胞の分布と動態を免疫組織学的に検索した結果、頬粘膜への抗原塗布と違い、舌下粘膜レジデント樹状細胞は、もともとの分布数が少なく、所属リンパ節への遊走により、10時間で枯渇することを見いだした。反復抗原塗布により機能的に関与する樹状細胞は舌下粘膜では、単球由来樹状細胞が主となる可能性が示された。舌下免疫療法における舌下樹状細胞の機能を解明するために、アジュバントを使用しない花粉吸入によるマウススギ花粉アレルギーモデルの樹立に成功した。サブテーマ3,歯肉炎から歯周病への進展メカニズムの解明:ヒト由来高病原性Pg菌株を用いて、マウス歯周炎・歯周病モデルとその早期および後期の評価系(組織学的検索、組織サイトカイン発現量、血清および歯肉溝浸出液中の抗体価、歯槽骨吸収など)を確立した。サブテーマ4,齲触および歯髄炎の自然治癒メカニズム解明:マウス咬頭切削後に、所属リンパ節に遊走する樹状細胞・マクロファージ様細胞CD11b^<high>CD11c^<null-low>を同定できた。これらの細胞は、CD86,CD273(B7-DC),MHC class IIを高発現しており、F4/80とCD205発現の違いから、さらに4分画に分類され、主たる分画は、CD11b^<high>CD11c^<low>F4/80^+CD205^-細胞であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究経費でリース使用可能となった8色2パラメーターのフローサイメトリーを屈指することで、少数分画細胞の解析が可能となった。計画は順調に進展予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
歯髄樹状細胞や舌下粘膜樹状細胞の解析では、対象となる細胞群の比率が非常に少ないため、機能解析に技術的な困難がつきまとうが、適宜ノックアウトマウスやノックインマウスの使用、または、細胞移入実験により対処していく方針である。
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