2012 Fiscal Year Annual Research Report
外来化学療法におけるオンコロジーエマージェンシーの安全ケア質保証統合システム開発
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23249090
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
内布 敦子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20232861)
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助教 (80459247)
渡邊 知映 昭和大学, 医学部, 助教 (20425432)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | がん看護 / ケアの質評価 / ベストプラクティスケア / 経口抗がん剤治療 |
Research Abstract |
本研究の目的は、外来がん化学療法看護におけるオンコロジーエマージェンシーの安全性改善をめざす<ケア質保証統合ステム>を開発し、feasibilityとvalidityを検証することである。平成24年度は、第2段階として下記の研究成果を得た。 1.外来化学療法室における安全ケアの優先的課題に対する医療者の認識と実態調査 <経口抗がん剤の安全管理とアドヒアランス>を中心に、安全ケアの優先的課題に対する看護師の認識と実態を全国規模(がん診療連携拠点病院と一般病院、計597施設)で調査した。その結果、①一次調査に回答した247施設(回収率 41.37%)のうち、「二次調査に不参加」と回答した180施設の理由は「外来化学療法室では経口抗がん剤治療を行っていない」105施設(58.3%),「外来化学療法室では、経口抗がん剤を受ける患者への看護実践を行っていない」32施設(17.8%)であった。 ②二次調査の協力を得た60施設において<1週間の経口抗がん剤アドヒアランス促進の看護実践>を調査した。系統的抽出法により60施設から計882名の患者が抽出され、経口抗がん剤を受ける患者は237名であった。看護実践の実態は「この患者の有害事象について患者と話し合っている」203名(85.7%)、「生活と経口抗がん剤治療との両立を妨げる要因について患者と話し合っている」171名(72.2%)、「この患者は自宅で経口抗がん剤の服薬管理ができていると思う」220名(92.8%)と高率であった。一方で「この患者の残薬を確認している」は107名(45.1%)と半数を割っていた。 2.専門家パネルによる安全ケアに関する改善案の策定 専門家パネルを組織し、調査結果及びシステマティックレビューに基づいて<経口抗がん剤アドヒアランス促進の看護実践>改善策を策定し、ケアガイドラン、ケアモジュール等の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
経口抗がん剤患者の系統的抽出法による<1週間の経口抗がん剤アドヒアランス促進の看護実践>調査では、当該施設における研究倫理審査を必要とした施設が数多くあったため、当初の調査期間を大幅に延長せざるをえなくなった。そのため、専門家パネルによる安全ケアに関する改善案の策定およびケアの質評価指標(QI)の作成を25年度に継続することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
専門家パネルの規模を拡大し、安全ケアに関する改善案の策定およびケアの質評価指標(QI)の作成の効率化を図る。一方で、全国調査の結果から、外来化学療法室における経口抗がん剤のアドヒアランス促進に向けた看護実践は現場では組織的アプローチが立ち遅れている実態が判明しており、<経口抗がん剤の安全管理とアドヒアランス促進>に焦点化した統合的質保証システム(ベストプラクティスのためのケアスタンダードモジュール、質保証モニタリングシステム)の臨床導入に関しては、Feasibility Pilot Studyを実施する必要があると考える。
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Research Products
(1 results)