2011 Fiscal Year Annual Research Report
東北アジアにおける辺境地域社会再編と共生様態に関する歴史的・現在的研究
Project/Area Number |
23251003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡 洋樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00223991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳澤 明 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (50220182)
堀江 典生 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (50302245)
井上 治 島根県立大学, 総合政策学部, 教授 (70287944)
今村 弘子 富山大学, 極東地域研究センター, 教授 (80234011)
雲 和広 一橋大学, 経済研究所, 准教授 (70314896)
|
Keywords | ロシア / 中国 / モンゴル / 移民 / 地域社会再編 / 辺境 |
Research Abstract |
初年度にあたる本年度は、各研究分担者が調査・研究の態勢再構築を目的として現地研究機関の協力を確保するとともに、具体的な調査を開始した。第一変動期班は主としてモンゴル科学アカデミー歴史研究所との連携を確保してモンゴル国立中央アルヒープでの歴史資料調査を実施したほか、中国中央民族大学などでの文献調査を行った。この内、岡・柳澤はアルヒープで清宋のロシア・モンゴル境界地域の文書を調査、佐藤はやはり清末のイヘ・フレーに関する文書を調査した。井上は辺境部に居住したカザフ人に関する文書調査を実施するとともに、バヤンウルギー県での聞き取り調査を行った。また中村は北京の中央民族大学で文献調査を実施している。また同班では、内モンゴル師範大学との研究協力態勢を構築し、次年度における中国での史料調査に備えた。第二変動期現はロシア、中央アジア、中国東北部において現地研究機関との協力態勢を構築し、各分担者の課題に関してフィールド調査を行った。堀江はロシアへの移民送出地域としてタジキスタンでインタビュー調査を行い、今村は中国黒龍江社会科学院・遼寧省社会科学院などでのヒアリングを開始している。雲はロシアのモスクワ、ウラジオストク、ハバロフスク、タジキスタンなどで労働移民の海外送金と家計所得の関係、人口動態、出生率の決定要因などに関する調査を実施、馬は中国哈爾浜、黒河、綏芬河、煙台、ロシア・ブラゴヴェシチェンスクでの貿易、投資、労務関係と旅行関係の調査を行った。両斑とも現地研究組織との連携を確立するとともに、具体的調査を開始したことにより、初年度の活動目的は達成された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は、「調査基盤再構築」の年と位置づけたが、各研究分担者は調査の際にパートナーとなる海外研究組織との協力態勢を整えた。これにより、調査の実施態勢は構築され、すでに文書館やフィールドでの調査が開始されている。これにより、初年度の計画は順調に進展していると判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
第一変動期班は、モンゴル科学アカデミー歴史研究所などの協力を確保し、すでにモンゴル国立公文書館などでの史料調査を開始した。まだ第二変動期班も、中国社会科学院やロシア科学アカデミーなどとの協力の下、フィールド調査を開始している。「各班調査実施」期として位置づけた第二年度にもそれぞれの調査を継続実施することによって、具体的な成果を出していきたい。第一変動期班はモンゴル国立中央アルヒーフにおける調査を行ったが、今回の調査で同アルヒーフが2012年後半から移転のために一時利用できなくなる可能性が明らかになったことから、次年度は岡アルヒーフだけでなく、中国などの史料所蔵機関での調査を行う必要があると思われる。これについては、やはり内モンゴルの研究機関との連携を確保しており、史料調査の態勢を整えた。
|
Research Products
(13 results)