2011 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯高地における環境開発の地域間比較研究―「高地文明」の発見に向けて
Project/Area Number |
23251008
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Section | 海外学術 |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
山本 紀夫 国立民族学博物館, 名誉教授 (90111088)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池谷 和信 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 教授 (10211723)
本江 昭夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (30091549)
月原 敏博 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (10254377)
平田 昌弘 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (30396337)
大山 修一 京都大学, アジア・アフリカ研究所, 准教授 (00322347)
|
Keywords | 熱帯高地 / 環境開発 / ドメスティケーション / 高地文明 / 地域間比較 |
Research Abstract |
本研究では、メキシコからグアテマラにかけての中米、中央アンデス、東アフリカ、そしてチベット・ネパールを「世界の4大高地」及びその周辺地域と位置づけ、そこで「高地文明」が成立したとの見通しのもとに研究調査を開始した。これらの地域のなかで、東アフリカ(主としてエチオピア)は熱帯高地という視点からの調査が乏しかったため、2度にわたり通算2ヶ月あまりをかけてエチオピア高地に広く踏査し、文化人類学や農学の視点から生態や民族、生業、遺跡分析などの調査を実施した。また、中米は従来の文献資料などでは熱帯高地と位置づけられていなかったため、研究代表者がメキシコ中央高地及びグアテマラ北部の予備調査を20日間かけて実施。その結果、メキシコからグアテマラにかけての高地部も熱帯高地であることが確認できた。そのため、本年1月末から3月末にかけて研究協力者として中米考古学の第一人者である杉山三郎アリゾナ大学教授(愛知県立大学併任教授)を中心に、考古学、文化人類学、地理学などの専門家も加えて総合的な調査を実施した。なお、研究代表者と研究分担者の本江昭夫は、11月初旬から末にかけて、チベットとの地域間比較調査のためにネパールに東部クーンブ地方を踏査し、環境や生業を観察した。また、研究代表者は本年4月末から5月初旬にかけての10日間、「インドのチベット」とよばれるラダーク地方も踏査したので、ヒマラヤ・チベットについて、さらには四大熱帯高地の地域間比較研究についても、グローバルな視野を獲得することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
尖閣諸島問題に端を発する、日中関係の政情不安のため、チベットにおける現地調査がほとんど不可能となったため。
|
Strategy for Future Research Activity |
日中関係の政情安定を期待するとともに、念のためチベットにかわり、インドやネパールなどのチベット文化圏においても調査を実施する予定である。
|
Research Products
(6 results)