2013 Fiscal Year Annual Research Report
南半球における托卵性鳥類と宿主の軍拡競争の新展開:温帯ドグマからの脱却
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23255004
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
上田 恵介 立教大学, 理学部, 教授 (00213348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 修 岩手医科大学, 共通教育センター, 講師 (10404055)
江口 和洋 九州大学, 理学研究院, 助教 (60136421)
高木 昌興 大阪市立大学, 理学研究院, 准教授 (70311917)
西海 功 独立行政法人国立科学博物館, 動物研究部, 研究主幹 (90290866)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | カッコウ / テリカッコウ / センニョムシクイ / ニューカレドニア / 托卵 / 共進化 / 進化的軍拡競争 / ヒナ擬態 |
Research Abstract |
野外調査については、ニューカレドニアGrand Fern Park国立公園の野外調査施設を拠点に、2013年度は院生2人、ポスドク1名が、またドイツからPD1名が現地に長期滞在(3ヶ月)して調査を行った。またほかに日本から3名の学生が1-2ヶ月の短期で調査に加わった。その結果、宿主のニューカレドニアセンニョムシクイの対寄生戦略とヨコジマテリカッコウの托卵戦略について、そのメカニズムについても解明が進んだ。現地共同研究者との連携も順調に進み、すでに共著論文を執筆中である。 また熱帯域のカッコウの宿主において、ヒナ排除という対托卵戦略がどのように進化して来たかについて、院生の佐藤望と分担研究者の岩手医科大学の三上修とで、新しいモデルの作成を行った。さらに2014年3月に九州大学において、分担研究者の江口和洋博士の世話で科研参加者によるワークショップを開催し、2013年度の総括を行うと同時に2014年度の研究戦略を練った。 これまで積み重ねられてきた関連の研究成果は、2013年8月の日本進化学会大会、同9月の日本鳥学会大会において発表を行った。 また研究協力者として遠地に派遣した2人の院生が、現地でこのテーマ外での新しい発見を行い、独自に研究論文を発表した(Okahisa, Y. & Sato, N. (2013) Mutual feeding by the shining cuckoo (Chrysococcyx lucidus layardi) in New Caledonia. Notornis 60: 252-254.)ことは特筆に値する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
現地調査に参加させた院生たちが、予想以上にフィールドワークをよくこなし,量的にも質的にもすばらしいデータを収集してくれた。かれらはまた自分たち独自に新しいテーマを開発して、次の研究につなげている。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は4年目に入り、最終年度であるため、野外調査は最小限にして,論文作成に励む。 夏には代表者の所属する立教大学キャンパスで第26回国際鳥類学会議が開催される。
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Research Products
(4 results)