2012 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアに渡来・起源した作物資源の遺伝的評価と開発的研究
Project/Area Number |
23255007
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
加藤 鎌司 岡山大学, 環境生命科学研究科, 教授 (40161096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 和広 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (60215770)
辻本 壽 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 教授 (50183075)
露崎 浩 秋田県立大学, 生物資源科学部, 教授 (20217384)
田中 裕之 鳥取大学, 農学部, 准教授 (70283976)
西田 英隆 岡山大学, 環境生命科学研究科, 助教 (30379820)
阿部 純 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (00192998)
笹沼 恒男 山形大学, 農学部, 准教授 (70347350)
柏木 純一 北海道大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (60532455)
岸井 正浩 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助教 (70535476)
田中 克典 弘前大学, 人文学部, 特任助教 (00450213)
久野 裕 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (70415454)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 国際研究者交流 / 中国:ロシア:インド:カザフスタン:グルジア / 遺伝資源 / 生物多様性 / 育種 / オオムギ / コムギ / ダイズ |
Research Abstract |
本研究班を構成する下記の4グループが中国および周縁国を訪問し,のべ5回にわたって現地調査を行うとともに,現地研究者との共同研究を実施した.その概要は下記の通りである. 1.オオムギ・コムギグループ;グルジア共和国での現地調査をN.I.バビロフ研究所ならびに同国の研究者とともに7月に実施し,オオムギおよびコムギの在来品種および近縁野生種を収集した.8月にはカザフスタンの乾燥地域における乾燥および塩類耐性の遺伝資源調査を実施した.カラガンダおよびアルマティの農業試験場を訪問するとともに少数ながらムギ類の近縁野生種を調査収集した.さらに,中国科学院昆明植物研究所との共同研究で内モンゴル自治区の栽培ムギ類の収集を8月下旬に実施した.大部分が改良品種とみられたが裸性オオムギなど在来品種も認められた. 2.ダイズグループ;2012年12月7-15日にInternational Crops Research Institute for the Semi-Arid Tropics(ICRISAT)を訪問し,Vadez博士とダイズの土壌乾燥抵抗性に関する共同研究の打合せをし,インド中部ハイデラバードにおけるダイズを含む食用作物を調査した.共同研究の供試材料として,インド国内の州立大学・研究所の協力により,同機関で育成された系統の種子の分譲を受けることができた.2013年度の雨季と乾期にICRISATでダイズの土壌乾燥抵抗性を評価する研究計画を取りまとめた. 3.メロングループ;2012年11月3-21日に,インド東部のメガラヤ州,アッサム州およびナガランド州においてウリ科作物の現地調査を行った.栽培メロンはGroup Momordicaおよび変種未同定のメロンに属するものであり,それぞれ低地および高地において特異的に利用されていた.また,メロンやキュウリの近縁野生種について,自生と果実形質の多様な変異を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダイズグループは,ICRISATにおける土壌乾燥抵抗性試験を2012年乾期作から開始する予定であったが,植物遺伝資源を巡る国際環境の変化を反映して,現地研究機関からのダイズ種子の入手に難航し,現地での播種適期に間に合わなかったため,実験を次年度に繰り越した.そのため,圃場使用料などの研究経費を次年度に繰り越した.オオムギ・コムギグループおよびメロングループについては,当初計画通りに現地調査ならびに遺伝資源・情報の収集を行うことができ,作物資源の遺伝的評価と開発的研究のための研究基盤を拡充することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
作物遺伝資源の現地調査においては,現地研究者との信頼・協力関係ならびに現地政府機関の許可が不可欠である.従って,基本的には当初計画通りに実施する予定であるが,状況に応じて調査地域・時期などを変更するなどの対応を考える予定である.
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Research Products
(15 results)