2013 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジア諸国における汽水産エビ類の疫学調査および病原ウイルス伝播経路の解明
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23255013
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Fisheries Research Agency |
Principal Investigator |
浜野 かおる 独立行政法人水産総合研究センター, 瀬戸内海区水産研究所, グループ長 (40371827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 徹 熊本保健科学大学, 保健科学部, 教授 (70369122)
矢野 豊 独立行政法人水産総合研究センター, その他部局等, 研究員 (70371854)
筒井 功 独立行政法人国際農林水産業研究センター, その他部局等, その他 (80425529)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | P. monodon / L. vannamei / ウイルス疾病 / AHPNS/EMS / 疫学調査 |
Research Abstract |
2013年のマレーシアにおける聞き取り調査では、昨年度の同様にL. vannameiの疾病が深刻で、特に急性肝膵臓壊死症候群(AHPNS)/早期死亡症候群(EMS)の被害が多くなっていた。訪問したペナン、ペラ、ケダン州にある汽水エビ養殖場6か所すべてがその疾病被害を受けていると話しており、それら6養殖池で採取したバナメイエビ24個体から274菌株を分離した。これらの菌株についてAHPND特異的PCR(TUMSAT-PCR)を実施したところ、2養殖池に由来する11株でターゲットサイズに一致するバンドが検出された。これら11株はプライマーセットAP1を用いたAHPND特異的PCRにおいてもすべて陽性であった。これら11株は、すべて37℃増殖可能で、TCBS培地上では緑色のコロニーを形成し、また腸炎ビブリオ同定PCRで陽性であったことから、V.parahaemolyticusと同定された。本調査で分離された菌株はAHPNDの原因菌と推定され、マレーシアにおいても同種によるAHPNDがエビ養殖場に蔓延している可能性を本調査は明らかにした。一方で、現地での聞き取り調査でAHPNDの発生が疑われた4養殖池からは当該菌は検出されなかった。そのうちの1養殖池からのみ、伝染性皮下組織造血器壊死症ウイルス(IHHNV)が特異的PCRによって確認されたが、残り3養殖池からは、感染性壊死症(IMN)ホワイトスポット病(WSD)イエローヘッド病(YHD)タウラシンドローム(TS)の原因ウイルスすべてが検出できなかった。このことはAHPND(EMS)と考えられている疾病には他の病原因子が関与している可能性を示唆しており、さらなる細菌学的およびウイルス学的アプローチが必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査国での疫学調査および病エビのサンプリングは順調に進展している。計画時に最も深刻であった病原ウイルスWSSVおよびYHVにおいては伝播経路の推定に利用できると思われる変異領域が明らかとなってきている。一方で疫学調査からの結果と実験結果とでは違いがみられ、病名の判定には実験による証明が必要である。また、計画当初では大きな問題でなかった細菌性の疾病が深刻となってきているため、それらの疾病も含めた研究へと進展させている。
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Strategy for Future Research Activity |
現地での疫学調査に加えて、病気が発生している場合には疾病の原因を実験によって証明する必要がある。近年深刻となっている急性肝膵臓壊死症候群(AHPNS)/早期死亡症候群(EMS)はタイ、マレーシア、ベトナムで大きな被害を出しているが、インドネシアおよびフィリピンのサンプルからは病原ウイルスが多く検出されており、当初予定していたウイルス疾病に加えて細菌疾病も加えた取り組みが必要となっている。国境を越えた親エビや種苗の移動も答案アジア諸国では多く行われており、聞き取りによる移動の履歴と疾病発生との関係を探ることも重要と考えている。
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Research Products
(3 results)