2011 Fiscal Year Annual Research Report
相互依存関係を持つ異種タスクの同時処理に関するGPGPUによる高速化の研究
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23300007
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
萩原 兼一 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (00133140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊野 文彦 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (90346172)
置田 真生 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (50563988)
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Keywords | アルゴリズム / 高性能計算 / GPUコンピュティング / 生体機能シミュレーション / コンパイラ |
Research Abstract |
高性能計算(HPC)分野でGPGPUは有効な技術として定着している.行列積計算など特定の計算をするGPUプログラムの開発が研究の中心である.他の計算をするには他のGPUプログラムの開発が必要である.GPGPUをより広範囲で有効とするためには,次の2つのGPGPU技術の開発が不可欠と考え,その開発を研究目的としている.a)概念上,異種タスクを多数同時に処理するGPGPU技術.b)コンパイラのように任意のユーザ定義式を処理可能とするGPGPU技術.そのための具体的題材として,ユーザが生体機能記述言語により生体機能をモデルとして記述し,それをシミュレーションすることを題材に研究を進めている. 平成23年度は,常微分方程式および関数の集合で表された生体モデルを対象に,その数式群の数値解を計算する.数式に従い、単純な四則演算だけでなく指数関数などの複雑な関数も含む多種の命令をGPUが実行する必要がある.GPUは内部に多数のコアを持つ並列計算機であるが,それらのコアは複数個ごとにグループ化されており,グループごとに処理内容を統一したときに処理効率が高い.一方,処理内容を統一できない場合は,GPUでの性能向上は望めない.これを解決することが,上記a)およびb)の問題点の解決の最も重要である. 上記a)の問題点を解決するために,スタックマシンを用いたインタプリタ方式を考え,それをさらに高速化する手法を開発した.また,この手法の副産物として,b)の問題点への手がかりになっている.現在、CPUの1コアでの実行に対して,GPUでは最大で約30倍の高速化を達成した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画では,平成23年度は解決アイデアの検討し,平成24年度にそのアイデアをGPGPUとして実装するものであったが,実際には平成23年度中にその段階まで進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
GPGPUに関しては計画ステップを前倒しに実施する.なお,計算対象に関するGPGPU処理で考案した方法は,共有メモリのマルチコア・コンピュータでの実行にも適用可能なので,GPUだけでなく実行環境をマルチコアコンピュータにも拡張し,性能比較する.
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Research Products
(9 results)