2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300010
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鵜林 尚靖 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (80372762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 晃 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (80165282)
久住 憲嗣 九州大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10380685)
亀井 靖高 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (10610222)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ソフトウェアアーキテクチ ャ / インタフェース / ADL / DSL / アーキテクチャ検証 |
Research Abstract |
アーキテクチャ設計は高品質なソフトウェアを構築する上で重要な役割を果たす。アーキテクチャ設計に関わる問題として「設計の抽象度」「設計からコードへの洗練」「設計とコードの同期」の3つがある。本研究では、我々が提唱するArchface(アーキテクチャ設計とプログラム実装の間で守らなければならない契約を言語機構上のインタフェースとして記述する方法)を発展させることにより、これら3つの問題に挑む。昨年度(平成23年度)はこれらの問題解決に必要な共通基盤として、アーキテクチャ点およびアーキテクチャ点写像の概念を考案した。アーキテクチャ点に基づいたアーキテクチャ記述言語、アーキテクチャ点写像に基づいた設計とコードの同期、SMTソルバーを用いたアーキテクチャ検証が可能となった。平成24年度は、ドメイン特化型のアーキテクチャ点が定義できる仕組みについて研究した。対象ドメインはコンテキストアウェアシステムとした。現在最も注目されているアプリケーション分野の一つであること、次ステップのArchface を考える上で現状の問題点を洗い出すのに適していること、がその選定理由である。今回、コンテキストアウェアシステムを対象としたアーキテクチャ記述言語UML4COPと検証機構RV4COPを開発した。コンテキストアウェアシステムのアーキテクチャ構造を特徴付けるのに、我々はコンテキスト指向プログラミング(COP: Context-Oriented Programming)におけるイベント群に着目し、これらをアーキテクチャ点として定義した。また、設計追跡性に関しては、コンテキストアウェアシステムにおける動的なアーキテクチャ変更を考慮し、ランタイム検証(RV: Runtime Verification)の機構を導入した。設計とコードの関係だけでなく実行トレースとの対応についても検証が必要なためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究応募時の申請書では、平成23年度に基本技術のプロトタイプ開発を行い、平成24年度以降に実用化に向けた研究を行う予定になっている。最終的には、コンテキストアウェアシステムを対象に適用実験を行い、我々のアプローチの有効性について評価することが最終目的である。当初の予定通り平成23年度に、Archface、アーキテクチャ点、アーキテクチャ点写像、SATソルバーを用いたアーキテクチャ検証等の基本技術を開発した。平成24年度は、これら基本技術をコンテキストアウェアシステムに適用する方法を開発した。おおむね順調に研究が進展していると判断できる。なお、研究成果は、論文誌、国際会議、国際ワークショップ、国内シンポジウム、研究会、等に発表済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度となる平成25年度は、平成24年度に実施した「Archface およびその基盤技術(アーキテクチャ点、アーキテクチャ点写像、SATソルバーを用いたアーキテクチャ検証等)のコンテキストアウェアシステムへの適用」を発展させる予定である。また、研究応募時の申請書に掲載したチャレンジテーマ(Archfaceのマルチ言語環境への対応、関数型プログラミング言語への応用、ソフトウェアプロダクトライン思想の導入)についても優先順位を付けて取組みたい。チャレンジテーマの中でも特に本研究の発展に将来大きく寄与すると予想されるものについては、次期研究応募テーマとして申請できるように筋道をつけておく予定である。
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Research Products
(10 results)