2013 Fiscal Year Annual Research Report
高速相互通信機能を持つ並列アクセラレータによる大規模離散探索問題高速化の研究
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23300014
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
稲葉 真理 東京大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (60282711)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | リコンフィギャラブルシステム / 離散最適化 / ハードウェアアルゴリズム / ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの成果を基に、分散並列システムの構築に取り組んだ。ネットワーク計算環境を高次化し、ホスト間通信、およびスイッチを介したボード間通信の実現検討を通して整備を行った上で、以下のように役割分担をして研究を推進した。 (1) 離散最適化グループ (1-a) 通信モデルの定式化と最適化の研究:ネットワークトポロジーについて、ネットワークフロー、特にパラメトリック解析と耐故障性解析の観点から検討を行った。種々のトポロジーについて、規則性を持ったネットワークの性質の調査も実施した。また、ファームウェア開発グループと連携して、通信制御隠蔽のためのフレームワークのインターフェースの検討を行い、ファームウェアグループが開発したフレームワークのプロトタイプモデルにおける通信最適化との連携を行った。 (1-b) 探索アルゴリズムとアプリケーションの開発:システムの拡張に伴い、パイプラインを考慮し、かつノードそしてボードにまたがるユニット複製を行う並列ハードウェア・アルゴリズムの設計を行った。同時に、ホスト間通信を利用したデータ共有を実装し、ホストを経由する通常の通信と、ボード間相互通信の比較検討を行いながら、SATなどの大規模探索アプリケーションの構築に取り組んだ。 (2) ファームウェア開発グループ: 研究計画初期に設定していた「1対1通信」あるいは「上書きされないデータ」といった限定的な条件をはずし、より一般的な制御方式の実装を行った。通信については、4階層すべてを利用し、冗長性のある下位層の上に、broadcast, all-to-all, そして map and reduce を導入することを検討した。並行して、通信モデルの定式化、さらには最適化グループと協力してフレームワークのインターフェース検討も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計算結果の解析に取りかかったところ、当初予想していなかった新帯域通信での探索方式という新たな知見が得られ、年度をまたがって研究継続し、実験を行った上で計算結果の解析を行うところまで研究を進展させることができた。総体的に離散最適化グループ、探索アルゴリズムアプリケーションの開発、FPGAやファームウェア開発の3つの柱がうまく連携して、それぞれに成果を上げることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、計算環境の整備と並行して、効率的に役割分担しながら本格的な分散並列システムの構築に取り組んでいく。
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Research Products
(6 results)