2011 Fiscal Year Annual Research Report
ギガビット光回線網を用いた大融合ネットワークにおけるサービス品質保証に関する研究
Project/Area Number |
23300021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 寧 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00236168)
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Keywords | QoS / 光通信 / ギガビット / プロトコル / ネットワーク融合 |
Research Abstract |
本研究では、PONによる大融合ネットワークにおいてサービス品質保証を実現するために必要となるコア技術である経路制御技術とトラフィック制御技術の創出を目的としている。経路制御技術とトラフィック制御技術の開発を行う本研究では、(A)PONの特徴を最大限利用すること、(B)様々なタイプのネットワークがPONに接続さられることを念頭において研究を進める必要がある。そこで、第1段階では、PONに接続されるネットワークを一般化して考え、(A)を実現するためにベースとなる技術の研究を行う。そして第2段階では、(B)を念頭に第1段階で一般化したネットワーク環境を具体化して想定し、第1段階で考案した技術に各ネットワークの特性に合わせた改良を施す。 本年度の研究では、第1段階に該当する研究を行った。具体的には、まずPONの特徴を最大限に利用したトラフィック制御技術の基礎を確立するために必要となる以下の情報を明らかにした。PONの特徴とPONで用いられている制御機構の詳細を把握することにより、サービス品質を左右し得る制御パラメータを特定すると共にモデル化を行った。また、PONに接続される様々なネットワークを抽象化したモデルを作成した。そして、PONの制御機構に関するモデルとPONに接続されるネットワークのモデルに基づき、サービス品質を向上するためのトラフィック制御技術を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は第1段階に該当する研究を行うと計画していた。これに対し、本年度の成果として、PONにおいてサービス品質を特徴づける制御パラメータの特定とPONに接続されるネットワークのモデル化、またそれらのモデルに基づきネットワークのトラフィックを制御する技術を考案した。PONにおける大融合ネットワークにおいて、サービス品質を特徴づける制御パラメータの明確化とPONに接続するネットワークのモデル化はサービス品質を向上するために必要不可欠であり、また、それらのパラメータは研究の第2段階においても大きな礎になる。つまり、第1段階で行った研究は本研究の中核をなすものであり、中核を明らかにした本年度以降の第2段階の研究は比較的スムーズに行えるものと期待できる。 以上の理由から、今年度の成果はおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究の第2段階に移行する。第2段階では、第1段階では一般化されていたネットワーク環境を具体化し、各ネットワークの特性に基づいた経路制御技術の研究を行う。一般に、経路制御は各ネットワークの中で閉じた独自の方法によって行われるが、PONと他のネットワークの接続のように両者間に複数の接続点が存在する場合、その接続点の選択が新たな自由度として経路制御に加わる。そのため、接続点の選択によってサービス品質が変化することを考慮に入れた経路制御技術が必要となる。また、ネットワークのグリーン化が重要視されている近年の社会的背景から、電力消費を考慮した経路制御技術が必要となる。そこで、時間によって利用可能な接続点が変化することを考慮した経路制御について検討を行う必要がある。各制御技術の開発は、モデル化と理論検討、アルゴリズムの考案とプロトコルの設計、計算機によるシミュレーションベースの性能評価という一連のサイクルの繰り返しによって行う。
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