2012 Fiscal Year Annual Research Report
動的に構成が可能な複数画面コンピューティングに関する研究
Project/Area Number |
23300022
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田中 二郎 筑波大学, システム情報系, 教授 (20251043)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 伸 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00272691)
志築 文太郎 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20323280)
三末 和男 筑波大学, システム情報系, 准教授 (50375424)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
Keywords | ユビキタス / 複数画面 / 情報提示 / ワークスペース / 協調作業 |
Research Abstract |
ユビキタス環境における複数計算機の表示画面に着目して研究を進めている。本研究では、「動的に構成が可能な複数画面コンピューティング」に関する研究開発を行い、複数のノートPC画面を初めとして、携帯情報端末、共有の電子白板などの大小の画面を有機的に連携させ、複数計算機間や複数人でのコミュニケーションを円滑にすることを目指している。 平成24年度は、構築中の「複数画面コンピューティングシステム」のシステム全体の動作確認をおこない、ユーザからのフィードバックに基づきシステムの評価・改良を進めた。特に、ウィンドウ管理モジュール、マウス管理モジュールについて機能強化を行った。システムの効率化として、画面イメージの転送効率の向上や画面の一部領域のみの転送についても実装を行った。 また、本システムについて、「複数画面コンピューティングシステム」の適用例として、いくつかのアプリケーションを検討し、試作した。アプリケーションの一つは、プレゼンテーションシステムである。このシステムを使用すれば、学会や研究室のゼミなどで何人かが連続してプレゼンテーションを行う際に、マシンをプロジェクタに機械的につなぎかえる必要がない。また、発表者は、発表をする際に、プロジェクタが映し出しているページだけでなく、そのページのオーラル原稿を見ることができ、次に映すページもサムネールで小さく見ることができる。聴衆は、プレゼンテーションを聞く際に、プロジェクタに映し出されているページや過去のページを手元のPCで確認することができる。 もう一つのアプリケーションは動的構成が可能な複数情報端末の入出力連携のシステムである。様々な種類の情報端末同士を動的に連携することによって、複数人における情報の閲覧と操作を円滑化することを目的としている。提案手法によって情報閲覧と操作を行なうことができるシステムを開発した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、構築中の「複数画面コンピューティングシステム」のシステム全体の動作確認をおこない、ユーザからのフィードバックに基づきシステムの評価・改良を進めた。 また、本システムについて、「複数画面コンピューティングシステム」の適用例として、「プレゼンテーションシステム」や「複数情報端末の入出力連携のシステム」などいくつかのアプリケーションを検討し、試作した。 このように本研究は概ね計画通り順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は最終年度ということもあり、平成24年度までに基本的な部分についてシステム全体の動作確認を行った「複数画面コンピューティングシステム」について、基本機能をさらに充実させるとともに、ユーザからのフィードバックに基づきシステムの評価・改良を進める。 特に、ウィンドウ管理モジュール、マウス管理モジュール周りについて機能をさらに充実させる。また、本システムについて、さらにいくつかのアプリケーションを検討し、試作、評価を行う。アプリケーションについては、近年スマートフォンやタブレットPC の普及により情報端末のスタイルが多様化していることを踏まえ、特に様々な種類の情報端末同士を動的に連携することによって、複数人における情報の閲覧と操作を円滑化することができるようなアプリケーションを試作する。 また家庭における情報操作についても検討を進める。家庭はプライベートな空間であり、緊張感のないくつろいだ形での操作性の確保が課題となる。情報操作の種類としては家電のリモコン操作のような手軽なものを想定するが、ここでは入力装置として環境に埋め込まれた各種のセンサーを活用することを考える。
|