2013 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム画像カーナビのための効率的車々間データ配信技術
Project/Area Number |
23300024
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
石原 進 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10313925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 淳 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30334957)
金子 透 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50293600)
小林 祐一 静岡大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60373304)
|
Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 車車間アドホックネットワーク / ITS / 位置依存情報 / 画像合成 / 送信電力制御 |
Research Abstract |
運転者が行きたい場所の「現在の(動)画像」を車々間通信および路車間、広域通信システムの併用によって伝達し、運転者に掲示するリアルタイム画像カーナビシステム実現を目的としネットワーク、画像処理両面からの技術開発を行った。 【A:ネットワーク】車々間ネットワーク上の異なる通信要求発生に伴う応答データの送信数を減らすための方法として、要求マップ(Demand Map, DMap)を用いた位置依存情報配信方式について、詳細な検討を行い、Soft State Sketchを用いたDMapの構成と配布方式を設計した。また、同方式の簡易版のプロトコルLive VANET CDNを設計し、シミュレーションにより、同方式によって要求発生源の地理的分布の動的変化に基づいて、適切に情報配信経路を適応させることが出来ることを確認した。また、車々間通信とセルラネットワークの組み合わせによって情報配信領域を拡大する方法の基礎的検討を行った。 【B: 送信頻度・電力制御機構】各車両が定期的に送信するビーコンパケットの送信電力を送信のたびに段階的に変更するパターンを周期的に繰り返す方式を設計し、シミュレーションにより、遠距離でのパケット到着間隔に関して、同程度の送信電力を持つ他手法に対して提案手法では長い到着間隔が発生する頻度が少ないことを確かめた。 【C: 画像再構成機構】車載カメラで撮影した道路状況の画像に対して、視点を仮想的に前方に移動させた画像生成およびその無線通信に関する実機検証を行い、仮想視点画像を生成可能であることを確認した。また、2つの異なる視点での画像を統合した画像合成方法を構築するために、2つの画像間で視覚特徴点のマッチングを行い、対応する部分を検出する方法を実装・検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロトコルのアルゴリズム設計に関しては、シミュレーションレベルでは良好な結果が得られているが、実働プロトコルの開発が遅れている。Dmapを用いたアルゴリズムの詳細設計に時間が取られたことと、この方式の簡易実現方式と詳細検討版の方式の両方の方式設計、シミュレーション評価に時間が取られたことによる。画像再構成に関しては、当初予定していた車両航行情報を用いた方式の拡張が進んでいない。これは航行情報を含まない方式を用いた実無線ネットワークを用いた実証に注力した影響であるが、同実験における研究者間の連携不足で開発・実験が難航した。
|
Strategy for Future Research Activity |
【A:ネットワーク】 刻々と変化する車両の位置関係に応じて応答データの送信経路の更新を行う方法(Demand Mapべースの情報配信手法)の具体化として昨年度設計したLive Vanet CDNの詳細評価を行う。また、昨年度基礎検討を行った車々間ネットワーク上に存在する応答用データの配置に応じ各車両が自律的に配信処理への参加を判断する「Supply Map」ベースの情報配信手法について詳細設計を行い、シミュレーション評価を行う。これらの機能の限定版を実働ソフトウェアとして実装し、小規模車々間ネットワークで実証実験を行う。また、昨年度検討を進めたセルラネットワークとの連携により道路網上の車両密度が低い場合に対応する手法について、詳細設計を行いシミュレーション評価を行う。以上に加え、ユーザの自然言語による問い合わせを状況に応じて解釈し、形式的な問い合わせに変換する機構を開発し、リアルタイム画像カーナビのためのユーザインタフェースとして、上述の実動ソフトウェアに組み込む。なお、当初予定していたソフトウェア無線を用いた実証実験は、移動する車両を想定した評価には適用困難である認識に至ったので、プロトコル評価は主にシミュレーションを主体に行う。 【B: 送信頻度・電力制御機構】昨年度検討した送信頻度と送信電力の動的制御機構に関して、上述のシステムとの統合を行い、その効果をシミュレーションにより検証する。 【C: 画像再構成機構】複数視点画像を合成して仮想視点画像を構成する技法を継続して開発する。車両位置等の航行情報の利用を行う拡張を行うほか、ネットワーク経由での画像収集を行う実システムの開発に取り組み、車両ネットワークを用いて実証実験を行う。画像伝送ネットワーク実験では、研究者間の連携を密にして作業を急ピッチで進める。
|