2012 Fiscal Year Annual Research Report
大規模複雑システムとしてのナノ光電子系に学ぶ情報ネットワーク設計制御
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23300031
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
成瀬 誠 独立行政法人情報通信研究機構, 光ネットワーク研究所フォトニックネットワークシステム研究室, 主任研究員 (20323529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 尚也 独立行政法人情報通信研究機構, 光ネットワーク研究所フォトニックネットワークシステム研究室, 室長 (20358873)
ペパー フェルディナンド 独立行政法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報通信融合研究室, 研究マネージャー (40359097)
會田 雅樹 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (60404935)
村田 正幸 大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80200301)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | ナノ光電子系 / 情報ネットワーク |
Research Abstract |
本研究の2年度目である平成24年度は、初年度に着手したナノ光電子系におけるエネルギー消費性能や自律動作の観点を機軸として、情報システムとしてのナノ光電子系の性質の解明を進捗させた。 具体的には、単細胞生物である粘菌が示すダイナミクスとナノ光電子系のダイナミクスの類似性を見出し、ナノ微粒子間の近接場光相互作用、すなわちナノスケールのフォトニックネットワークを基盤とした全く新しい解探索概念の提唱ならびにその理論的・数値的実証に世界に先駆けて成功した。具体的には、量子ドット間の相互作用ネットワークを介した光エネルギーの輸送パターンを外部からの制御光によって制御するというアーキテクチャを基礎としたシミュレーションにより実行可能性を評価した。量子ドット間の相互作用は共鳴エネルギー準位を介してネットワーク化されており、システム内のドットのいずれに対してもエネルギー散逸無しで到達し得るが、行き先となる量子ドットにおいて生じる散逸過程の生じやすさに依存して光エネルギーの輸送パターンが確率的に異なる。これを用いて解空間の探索を可能とし、制約充足問題及びの解決をシミュレーションにより確認した。 また、光伝搬の一般則の一つであるホイヘンスの原理と情報ネットワークの共通点を分析し、ホイヘンスの原理とくりこみ変換に基づく新たな自律分散的構造形成技術の提案等を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記研究実績の概要欄に記載のように順調に成果が出ており、また、学術論文誌や内外の学会における発表も順調に行われていることに基づく。
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Strategy for Future Research Activity |
大規模複雑システムとしてのナノ光電子系におけるネットワークの性質として、エネルギー移動に関する内容が充実し、情報ネットワーク機能への展開がなされてきている。また、光伝搬の一般則であるホイヘンスの原理と情報ネットワークの共通点をきっかけとした研究も発展してきた。今後は、例えばナノ光電子系における相互作用の階層性の発展など、さらなる性質の展開にも注意を払うことで、研究全体がより推進されると考えている。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] Information Physics in Nanophotonics
Author(s)
M. Naruse
Organizer
The First International Workshop on Information Physics and Computing in Nano-scale Photonics and Materials
Place of Presentation
University of Orleans, Orleans, France
Invited
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