2012 Fiscal Year Annual Research Report
照明・反射による見栄えを包括的に考慮した曲面形状理論の創生
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23300034
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
斎藤 隆文 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60293007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今間 俊博 首都大学東京, システムデザイン学部, 准教授 (40327143)
吉田 典正 日本大学, 生産工学部, 教授 (70277846)
原田 利宣 和歌山大学, システム工学部, 教授 (80294304)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 形状処理 / コンピュータグラフィックス |
Research Abstract |
本研究は,曲面形状特徴と,鏡面・拡散反射による見栄えとの間の関係を,理論的に解析・類型化し,見栄えを包括的に考慮した曲面形状生成・制御の方法論を構築するものである.従来の形状生成手法とは異なり,2次元的見栄えの包括的な制約に基づいて3次元形状を作成するという新しいパラダイムを構築することを目的としている. 本年度は,前年度に引き続き,現状の意匠デザインおよびアニメにおける反射による見栄えの解析,曲面形状特徴と鏡面・拡散反射による見栄えとの間の関係の理論的解析などを行ない,それらの定式化,類型化に着手した.また,これと並行して,形状と見栄えに関連した種々の研究を進めた.以下に成果を示す. 1.曲面形状と鏡面・拡散反射に関する解析と定式化: 曲面形状に複数の点光源による照明を行ったときに,等輝度線(すなわちセルシェーディングにおける陰影境界線)が屈曲する問題に対して,解決策を提案した.また,見栄えが優れていると予想される対数美的曲面に対して,鏡面・拡散反射による見栄えを精密にシミュレーションするシステムを開発した. 2.視点方向や光源方向により異なる模様が現れるレリーフ形状の生成: 物体平面上に微細な凹凸形状を生成することで,その反射特性を制御し,視点あるいは光源方向に依存して異なる模様が現れるようなレリーフ形状を考案し,試作に成功した. 3.形状と見栄えに関連した種々の研究: 良好な見栄えを得るための美的な曲線・曲面に関する研究として,対数美的曲線の理論と応用(縮閉線,G1エルミート補間,G2遷移曲線の生成など),3次曲線の美的解析,などの成果を得た.また,コンピュータグラフィックス,可視化,形状処理の種々の問題に関し,2次元的見栄えを考慮した研究成果が多数得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画である,曲面形状特徴と見栄えとの関係の解析・定式化・類型化の作業は,拡散反射に関しては順調に進展し,鏡面反射に関してはやや遅れている.一方で,形状と見栄えに関連した種々の研究において,当初予想を上回る多数の成果が出ている. 特に,本研究課題を推進する中から発案した,視点方向や光源方向により異なる模様が現れるレリーフ形状の生成は,これまでにない着想による研究であり,今後の進展と幅広い応用が期待される.ただ,本研究課題の当初の目的からは乖離するため,新たな研究課題として,科研費(挑戦的萌芽研究)「特異な方向依存反射特性をもつ表面微細形状の創生理論」(H25~27年度)を申請し,採択された.
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画に従い,曲面形状特徴と見栄えとの関係について,定式化,類型化,実体評価を行うとともに,曲面生成制御の方法論の検討を進める.また,それらと並行して,形状と見栄えに関連した種々の研究を行う. 視点方向や光源方向により異なる模様が現れるレリーフ形状については,別の研究課題として実施するが,本研究と関連する要素もあるため,相互に連携して進める.
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