2011 Fiscal Year Annual Research Report

３次元医療画像に対する時空間的な操作系の確立とがん自動診断への応用

Research Project

Project/Area Number	23300035
Research Institution	Yokohama National University
Principal Investigator	有澤博横浜国立大学, 環境情報研究院, 教授 (10092636)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	富井尚志横浜国立大学, 環境情報研究院, 准教授 (40313473)
Keywords	PET-CT画像診断 / 医療画像DB / データベース / マルチメディア
Research Abstract	本研究では、CT, PET, MRI等の医療画像機器が生成する3次元画像による医師の画像診断を支援する操作系を構築することを目的としている。その際PETとCT等複数種の画像（モダリティ）間で重ね合わせや差分による画像、あるいは造影剤投与時の時間変化（微分）画像などを、医師の直観により自由に組み合わせて演算・合成し、最終的な可視化ができるようにする。さらに申請者グループが開発したがん診断に用いる画像関数（個別臓器の輪郭抽出，陽性判定など）を提供し、経験豊かな読影専門医と協力してがん自動診断の全過程を一連の画像操作として実現させることを試みる。今回はその中で3次元画像オペレータの作成と評価（速度、画質）を行った。また実際の医療画像への適用性と効果を示すため、造影CT画像から大動脈解離を自動診断するプログラムを作成し、十分に有効であることを確認した。その内容は次の国際会議において発表した。 Michael Gayhart, Hiroshi Arisawa, Keisuke Yoshida, Momoko Okasaki, Tomio Inoue,“Automated Segmentation of the Aortic Artery:Evaluation of Images Obtained by Contrast Enhanced CT Scan “ ICISCA2012 19-20 November 2012 Bali, Indonesia
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned. Reason 当初予定していた3次元画像オペレータの作成には最初だいぶ手間取ったが、最終的にはのクセル間の操作を適当な大きさのボリューム毎にまとめて行うことにより速度的な問題をクリアできた。またこの結果、オペレータを用いて造影CT画像から大動脈解離を自動判別する診断プログラムを作成し、非常に良い判別能力を示せたので上記の国際会議に発表することができた。以上からおおむね順調に進展していると自己判断した。
Strategy for Future Research Activity	今後は本命である、PET-CTがん自動診断に於いて、3次元画像オペレータの有効性を検証したい。その際には、PETにおけるFDG（注入する薬剤、放射性ブドウ糖）ががんに特異的に集積しているところだけを見つけ、臓器固有の正常な生理的集積と区別しなければならない。その為にはそもそも個々の3次元臓器領域を正確に抽出・認識する必要がある。PET画像だけでは困難な場合に医師（読影専門医）はCT画像との重ね合わせ（フュージョン）、PET画像を補完して認識している。これと同じ操作をコンピュータ・アルゴリズムでも実現する必要があり、これを含めて人体全体のがん診断が行える用にして行きたい。