2011 Fiscal Year Annual Research Report
ニュース映像アーカイブの体系化と登場人物に注目した要約映像の編纂
Project/Area Number |
23300036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井手 一郎 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (10332157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村瀬 洋 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90362293)
出口 大輔 名古屋大学, 情報連携統括本部, 准教授 (20437081)
高橋 友和 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (90397448)
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Keywords | コンテンツ・アーカイブ / ディレクトリ・情報検索 / メディア生成 |
Research Abstract |
研究代表者らは長期間にわたり蓄積されたニュース映像の効率的な検索・閲覧を目指して,映像間の意味構造抽出に取り組んでいる.本研究では,これらの技術を発展させ,目的1)複数放送局のニュース番組の映像及びウェブコンテンツを相互に関連付けることで,実世界で生起したイベントに関する情報を網羅的に収集したうえで,イベント間の時系列意味構造(トピックスレッド構造)の形態に体系化することに取り組んでいる.これに基づいて,目的2)指定された人物に関して,指定された立場に沿って,トピックスレッド構造上の映像を選択して編纂した,いわば「ドキュメンタリ映像」を製作している.このような技術により,大量の情報を利用者にそのまま提示するのではなく,利用者の立場に応じた簡潔な形態で提示する,という情報爆発時代における新たな情報検索・提示方法を実現できるようになると期待している.本年度は,以下の二つの課題に取り組んだ. 課題1)ニュースコンテンツのマルチモーダル関連付け:複数局の日本語ニュース番組の映像について,同一イベントに関する異なる撮影視点の映像を関連付ける方法を検討した結果,背景と顔を分離して,個々に適した方法で照合する手法を提案し,分離しない場合と比べて高精度で対応付けられるようになった. 課題2)登場人物に注目した「ドキュメンタリ映像」の編纂:ニュースコンテンツ中に出現する総理大臣に注目し,在任中に生じる重要イベントに関する要約映像を編纂する手法を確立した.具体的には,総理大臣が在任中に経験する様々なイベントを分析し,コンテンツ中に出現するキーワードによって検出・分類(否定的か肯定的か)できるようにしたうえで,内閣支持率に基づき,その変化が大きい時期のトピックスレッド構造から,否定的・肯定的イベントを検出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度当初に補助金が満額交付されるか不明であったため,当初予定していた研究支援要員の雇用を断念した.このため,本研究の実施に必要なデータを収集するための放送映像自動蓄積装置の組み立てが遅れていたところ,たまたま同装置に必要なコンピュータ部品が一時的に入手困難な時期に重なり,更に整備が遅れ,データの収集が大幅に遅れた.
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Strategy for Future Research Activity |
上記遅延によりこれまでは研究を遂行する上で必要なデータが不足気味であったが,今年度はようやく研究に必要な規模に達するため,影響は薄れていく予定である. 今後は,研究計画通り,これらのデータを用いて,目的1)複数放送局のニュース番組の映像及びウェブコンテンツを相互に関連付けることで,実世界で生起したイベントに関する情報を網羅的に収集したうえで,イベント間の時系列意味構造(トピックスレッド構造)の形態に体系化するとともに,これに基づいて,目的2)指定された人物に関して,指定された立場に沿って,トピックスレッド構造上の映像を選択して編纂した,いわば「ドキュメンタリ映像」を製作していく.
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