2012 Fiscal Year Annual Research Report
ニュース映像アーカイブの体系化と登場人物に注目した要約映像の編纂
Project/Area Number |
23300036
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
井手 一郎 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (10332157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
出口 大輔 名古屋大学, 情報連携統括本部, 准教授 (20437081)
村瀬 洋 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (90362293)
高橋 友和 岐阜聖徳学園大学, 経済情報学部, 准教授 (90397448)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | コンテンツ・アーカイブ / ディレクトリ・情報検索 / メディア生成 |
Research Abstract |
本年度は,以下の課題に取り組み,各々該当する業績を挙げた:課題1)ニュースコンテンツのマルチモーダル関連付け:前年度までに実現した,複数局の日本語ニュース番組の映像に関して,人物に注目した准同一映像を検出する研究に対して,本年度は,背景特徴と人物特徴のより効果的な組み合わせ方について検討するとともに,テキスト類似度を組み合わせた絞り込みを行うことで,高速かつ高精度な関連付けを実現した.ここでテキスト類似度は,映像に付随する音声書き下しテキスト:文字放送字幕(Closed-caption)中のキーワードを照合することにより得た.課題2)登場人物に注目した「ドキュメンタリ映像」の編纂:ニュースコンテンツに頻出する職業に従事する人物,具体的には政治家(特に総理大臣)に注目し,在任中に生じる重要イベントに関する要約映像を編纂するために,支持率変化が大きい時期のイベントに含まれる,肯定的・否定的コンテンツの分類を実現し,支持率変化及びイベント・コンテンツ各々の肯定性・否定性を組み合わせることで,肯定的・否定的・客観的の3つの立場で要約映像を編纂する枠組みについて検討し,実装した.本課題に関連して,複数の招待講演に招かれるとともに,英文論文を執筆し,平成25年度に掲載される予定になっている.また,派生的な課題として,以下の課題に取り組んだ:課題3)トピックスレッド構造中の主要トピックスレッドの自動抽出:ニュースストーリ及びトピックスレッドがもつさまざまな特徴を用いて,トピックスレッド構造中のさまざまなストーリ遷移のなかから、一般にユーザが重要と考えるようなパスを選択する手法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
課題1)については,背景特徴と人物特徴の効果的な組み合わせ方に関する検討がやや難航したため,当初予定していたように,同一顔の出現を検出するために,映像中に含まれる全ての顔画像系列を自動的に検出・学習し,同一人物と思われる顔どうしを関連付ける手法の実現には至らなかった. 一方,当初予定していなかった課題3)を実現したことで,次年度における課題2)の発展的展開が可能になった. 以上の点から,本研究計画は,総合的に見ておおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
課題1)の残課題について,引き続き実現を目指すとともに,課題3)の成果を課題2)に適用する.具体的には,以下の課題に取り組む: [課題1]ニュースコンテンツのマルチモーダル関連付けに関する評価と応用:まず,複数局の日本語ニュース番組の映像に関して,ストーリ間のテキスト類似度及び人物の素材を考慮し,顔と背景を分離して准同一映像を検出する手法について評価及び改良を行う.それとともに,これまで蓄積してきた実際のニュース映像に対して,この手法を適用することで,登場人物に基づいてニュースストーリを関連付ける.この結果を用いて,異なる情報源から得られる関連ニュースストーリの内容を比較・統合し,[課題2]の素材に用いる. [課題2]登場人物に注目した「ドキュメンタリ映像」の編纂:トピックスレッド構造中の主要トピック推定手法に基づいて,さまざまな内容の関連ストーリ系列(トピックスレッド)のなかから,一般的に興味を持たれそうなものを自動的に選択したうえで,[課題1]の結果得られた映像を素材として用いることで,登場人物に注目したドキュメンタリ映像を自動編纂する手法を実装し,評価する.
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