2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300043
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
岩谷 幸雄 東北学院大学, 工学部, 教授 (10250896)
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Keywords | アクティブリスニング / 聴覚ディスプレイ / スペクトラルキュー / クロストークキャンセラ |
Research Abstract |
本研究は、3年を想定しており、3つの課題について検討を加えていく。A)アンビエント環境音のレンダリング技術の構築、B)アクティブリスニング音空間知覚過程の解明、C)アクティブリスニングシステムの試作と評価。以下に、それぞれのサブテーマの本年度の研究実績を示す。 A) アンビエント音環境のレンダリング手法:背景音を適切に付与し,頭部運動に感応させることで,目標とする音の提示音空間の臨場感が格段に向上することが示された。このとき、頭部運動を許容する際の、アンビエント環境音の空間分布は音圧を均等に配置するよりも、どこかにピボットを与えて音圧が高くなるようにレンダリングすることが有効であることが分かった。 B) アクティブリスニング音空間知覚過程の解明:頭部運動を伴う音像定位過程について、聴覚ロボットをアバターとみなし、正中面定位の実験を行った。その結果、頭部を動かすことで正中面定位が改善することが明らかとなった。また、正中面定位の手がかりとされる頭部伝達関数のスペクトラルキューについて考察し、従来のノッチ・ピークモデルと異なるモデルが成立することが示唆された。これは、従来モデルを否定するものではなく、増強するものである。 C) アクティブリスニングシステムの試作:頭部運動を許容するための聴覚ディスプレイの構築法として、二つの方法を検討した。一つは、少数のスピーカを用いて頭部運動データを基に、クロストークキャンセラをダイナミックに変更する方法。さらに、アンビソニックスなどの多数のチャネルのスピーカアレイによって、波面を精度良く再現する方法である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究のサブテーマは、A) アンビエント環境音のレンダリング技術の構築、B)アクティブリスニング音空間知覚過程の解明、C)アクティブリスニングシステムの試作と評価である。A)とB)については、従来の研究の延長線上について興味ある結果が得られた。また、C)については、三年度目に着手する予定であったが、先行して行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
音像定位過程のスペクトラルキューについて、さらに詳細化していく。また、視覚におけるサッカード抑制のような効果が聴覚に置いてあらわれるかについても、実験を進めていく。
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