2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23300057
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
石田 好輝 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80159748)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己修復ネットワーク / 免疫コンピューティング / マッチングオートマトン / 知能情報処理 / レジリエンスス / 複雑系 / 協調 / 意思決定 |
Research Abstract |
本研究では、「適応的」自律分散ネットワーク実現問題を、下記3テーマに分けて研究を行った。 【テーマ1】相互修復によるネットワークモデル(臨界点の解明):エージェントによる修復を制御パラメータで、汚染が広がってしまうか除去できるかを切り分ける臨界点を求めていく。今年度は、様々な修復方式について検討し、感染が入った場合のAND修復やOR修復やそれらのトポロジーとの関係についても考察した。 【テーマ2】 適応的相互修復戦略の枠組み:戦略的に修復する方式について、ゲーム論的アプローチや空間的囚人のジレンマによる先行研究に注意しながら考察する。今年度は、TFTの空間版についても考察し、どのような環境でも平均的な性能を有する戦略を評価するための評価尺度も提案した。 【テーマ3】 ネットワーク拡張の影響:スケールフリーネットやスモールワールドネットなどの複雑系ネットワークで議論されている情報の伝播についての結果に注意しながら、ネットワークトポロジーが臨界点や修復戦略に与える影響を考察する。今年度は、ネットワークトポロジーが異なる場合を、自身を修復する場合と相互修復およびそれのハイブリッドについて、考察し臨界点を示す相図を導出した。 これらテーマを解明していく上で、動的に成長していくネットワークには厳密な理論的解析が困難であると予測された。そこで先行研究でも用いた計算機シミュレーションにより、様々な尺度を頻繁に計測しながら行うことで、解析・整理している。単に高速な計算だけでなく、きめ細やかな分散型シミュレーション環境も検討している。また新たな離散数理モデルとしてマッチングに焦点を当てたモデルの研究も進めた。またこれら結果の視覚化のための研究により、過渡状態をみるための拡張相図やマッチングモデルを動的システムとみなしたときの離散相図も提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果発表を国際学会で行う以外に、本研究テーマに関する特集をいくつかのジャーナルで行い、研究者の層をより広げることを行った。また当該テーマに関する原著の書籍を執筆している。さらに当該分野での博士後期学生を育成しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
国際学会での招待セッションや招待講演、またジャーナルにおける関連特集、原著の書籍出版などで研究者層をより広げていく予定である。国際的な研究交流プログラムも展開し、日本だけでなく国際的に次世代の当該研究を担う若手人材を育成していきたい。また当該分野がセキュリティ分野のみならず、減災や柔軟でレジリエントな情報システム構築へも貢献できないか検討していきたい。
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Research Products
(8 results)