2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沼尾 正行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30198551)
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Keywords | 脳-計算機界面 / 脳波 / 生体信号 / 感性と感情 / センサネットワーク / 音楽 / 記号と非記号 / 帰納 |
Research Abstract |
計測部分を脳-計算機界面に置き換えるため、脳波計と感性解析ソフトウェアを用いて、感性を獲得する実験を行い、詳細なデータを取得した。脳波計以外に、購入済の各種生理センサを併用して、比較することで精度の向上を図った。脳波計、脈波計、各種生体信号測定装置、音楽および画像再生パソコン、アンケート結果取得用の端末など、種々の装置をネットワークで接続した。この結果、センサネットワークには、CCDカメラ、照度センサ、赤外線センサ、温度センサが接続され、研究室内の環境を知るのに欠かせない情報が蓄積されている。たとえば、実験環境の温度は脳活動に大きな影響を与えるし、脳波計を装着する前の被験者の行動は結果に大きな影響を与える。こうした情報を丸ごとネットワーク上のハードディスクに蓄積しながら、被験者実験を行うことができるようになった。脳波計のデータを参考に他のセンサデータの解析に役立てることも可能であり、感情に応じた行動パターン発見も試みた。 フィリピンのデ・ラ・サール大学およびベトナムのベトナム国立大学ハノイ校との共同研究により、被験者実験を行った。脳波計 Emotiv は順調に動作しており、特にフィリピンおよびベトナムでの測定において、活躍している。ただし、信号/雑音比があまり高くないなど、性能は十分ではない。それをカバーするため、脳波計や種々のセンサデータ間の関連性について、研究を進めた。 本研究課題の核となる構成的適応ソフトウェアについては、音楽の和音進行に加え、リズムを帰納論理プログラミング(ILP)に加える手法を検討した。記号データのみを扱うILPに非記号データを取り込む手法を考えるため、より単純な手法で検討した。すなわち、共起とクラスタリングを組み合わせることで、非記号データを記号化する手法を研究した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
脳波計 Emotiv は安価な製品ではあるが、電極の生データを独自に処理することで、予想以上によい結果が得られている。その結果、ベトナムやフィリピンの現地の研究者による実験も遂行できた。研究室内でも、他の脳波計やセンサからのデータが蓄積されている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の変更は特にない。多くのデータが得られており、今後はケースバイケースで、データを解析する。可能であれば、国による文化差にまで踏み込む。そのための実験条件の設定にも注意して、さらに実験を進める。
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Research Products
(9 results)