2012 Fiscal Year Annual Research Report
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23300059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沼尾 正行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30198551)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 脳-計算機界面 / 脳波 / 生体信号 / 感性と感情 / センサネットワーク / 音楽 / 記号と非記号 / 帰納 |
Research Abstract |
前年度後半より、特任研究員を雇用し、フィリピンとベトナムの研究者との共同研究により、日本および現地での被験者実験を行った。ワークショップを2回開催した。脳波計 Emotiv についての経験も積んだ。各種センサとアンケートを総合的に組み合わせながら、被験者実験を続けた。 機械学習やデータマイニング分野では、標準的なベンチマークデータセットを公開して、新しい手法の評価や既存の手法の比較を実験的に行っている。楽譜や感性を対象にしたそのような試みについて、国際会議ISMIR を中心に調査した。さらに、独自のデータセットを構築するため、本研究課題で収集したデータを整理した。 作曲については遺伝的アルゴリズムを用いて行ってきた。遺伝的アルゴリズムは、染色体表現、遺伝的操作及び適合度関数の実装が非常に重要である。音楽理論に基づいた最低限度の禁則事項を表現する評価関数と、学習により抽出された個人の感性情報を基に作成した評価関数とを組み合わせることにより、適合度関数を作成した。音楽の即興過程を基にしたアルゴリズムであるハーモニーサーチは、音楽分野では殆ど注目されていないが、かなり有用である。その評価を行った。以上により、楽曲として成り立つ最低限度の曲の生成を実現すると共に、個人の感性に合わせた楽曲の生成を実現した。また、この遺伝的アルゴリズムで生成した楽曲は和音進行だけで構成されているため、旋律生成システムにより旋律を付加した。すなわち、和音進行や音長規則等を与えることにより確率的に旋律を生成した。1曲の演奏中でユーザの感情を実時間で調べることが可能になるので、旋律に繰り返し構造を導入して、繰り返しの部分でのユーザの感情を調べた。このことにより、より高度な作曲へアプローチした。実時間の印象を作曲部にフィードバックすることにより、作曲過程を制御することについても検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2週類の脳波計を用いた実験、心拍、皮膚抵抗、脈波を用いた実施し、論文発表を行った。フィリピンおよびベトナムの研究者が参加するワークショップを2回実施し、実験結果についての情報交換を行った。収集したデータセットを蓄積している。作曲については、遺伝アルゴリズムを用いた手法を研究し、論文発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
脳の研究者からは、Emotiv での測定結果にノイズが多いこと、発汗などの他の条件の影響が考えられることなどの点を危惧する声がある。そうした信号をも活用して、Emotivは独自のインタフェースを提供しているが、学術面からの評価が必要である。そこで、新たに研究臨床用の脳波計を購入し、比較実験を実施する。それに加え、現在、世界で公開されている脳波のデータセットを用いて、結果を比較することで、精度を上げる。それらを考慮した取りまとめを実施することで、実験を発展させるための布石とする。
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Research Products
(11 results)