2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300071
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鏑木 時彦 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 准教授 (30325568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元木 邦俊 北海学園大学, 工学部, 教授 (80219980)
松崎 博季 北海道科学大学, 工学部, 教授 (60305901)
徳田 功 立命館大学, 理工学部, 教授 (00261389)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 音声生成 / 病理音声 / 声帯音源 / 声道フィルタ / 相互作用 / 音響解析 / ステレオ内視鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
病的発声に代表される声帯の不規則振動に関して、喉頭の声帯音源機構と声道の音響フィルタの相互作用を解明した。発声ピッチがフォルマント周波数に近接すると、この相互作用によって声帯振動が不規則になり声区が転換する。この特異的な非線形現象を、声道と声帯の同時観測により検討し、地声と裏声の声区転換における相互作用の影響を明らかにした。さらに、発声ピッチの倍音周波数がフォルマント周波数に近接した場合でも、同様の不安定性が生じ得ることを明らかにした。従来の声道フィルタから声帯音源への影響に加えて、声門は声道音響管の境界条件を与えるため、声帯の振動特性が声道音響特性に逆の影響を与える可能性が考えられる。地声と裏声においてフォルマント周波数が変化する知見を得つつあり、今後、より精緻な検討を継続する必要がある。 また、ステレオ内視鏡による喉頭動画計測データからステレオマッチング法に基づいて声帯の3次元動態を復元する手法に、適応窓およびストロボスコープの原理を取り入れ、性能を大幅に改善した。声帯レプリカモデルでは、前後・左右に0.2mm程度、上下方向で0.8mm程度の計測誤差がみられた。声帯長や声門面積などの測定には、ステレオ内視鏡は誤差10%以内である。 声道音響特性の解析に関しては、喉頭腔を狭めた時の声道内音圧分布より、狭めより先の部分が一つの開端音響管として見え、声道全体の特性として現れることを示した。また、声門音源の境界条件を、声門下部を見込む高次モードを含むアドミタンス行列として電気回路的に表現し、声道の入力インピーダンスと駆動音源境界の相互作用について検討した。声道の3次元解析で現れる帯域幅の狭い極の発生は、音源境界条件として事前に設定した振動速度分布が、声道の入力インピーダンスとの関係により、実際には実現困難な分布であることに起因していることを示した。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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