2011 Fiscal Year Annual Research Report
社会性モデルの獲得を通じた不完全な実世界観測情報からのインタラクション状況認識
Project/Area Number |
23300073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
角所 考 関西学院大学, 理工学部, 教授 (50263322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡留 剛 関西学院大学, 理工学部, 教授 (20396120)
北村 泰彦 関西学院大学, 理工学部, 教授 (00204917)
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Keywords | 人間行動認識 / インタラクション / 社会性モデル / 実世界画像処理 / 画像、文章、音声等認識 |
Research Abstract |
複数の人や物の間のインタラクション状況認識への利用を目指し,冷蔵庫の操作や文書の閲覧,人間同士の会話等のインタラクションを対象に,以下の通り状況認識に有用な行動特徴の分析やモデル化を進めた 1. 文書閲覧時の注視対象検出のための人物行動特徴の分析:文書閲覧時の注視対象の検出処理の実現のために,注視対象が顔の前方一定距離に正対して存在するという位置関係が有用な行動特徴となり得ることを明らかにした. 2. 冷蔵庫に対する食材の出入庫操作の行動特徴分析:冷蔵庫に設置したカメラで食材出入庫時の人の視線と前腕方向の位置関係やその時間変化を観測することにより,食材による遮蔽の生じやすい冷蔵庫内を直接観測することなく食材の在庫状況を推定できる可能性を明らかにした. 3. 人物間対話におけるノンバーバル表現の表出特徴のモデル化:TV番組の対話シーンにおける出演者のノンバーバル表現の表出のされ方の状況による違いを,社会心理学の知見を定量化した数理モデルで再現できる可能性を明らかにした. 4. 複数者間の会話の生成消滅過程における参与者間の身体配置のモデル化:オープンスペースで偶発的会話を行っている参与者グループを検出するための行動特徴として,社会心理学の知見を定量化した身体配置モデルが有用であることを明らかにした. 5. 顔画像に基づく屋外歩行者の通行状況認識のための行動特徴の検討:商店街の通行状況を顔を手がかりに認識する際に問題となる顔の欠落や誤識別に対して,歩行者の位置変化の一貫性が有用な行動特徴となることを明らかにした. 6. 物体操作や受け渡し等における行動補間のためのデキゴトオントロジの構築:実世界を反映したWeb上のテキストを解析し,デキゴトを表現する動詞の出現順と出現頻度から実世界のデキゴトの出現順序を推定し、確率付き状態遷移図でモデル化した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題では,実世界の複数の人や物の間で展開される様々なインタラクションの状況を,カメラやセンサからの観測情報を基に認識する処理の方法論を明らかにすることを目標に,複数人・物間の相互関係に関する社会性モデルの構築とそれに基づくインタラクション状況の認識を目指している.本年度は,日常生活空間内の様々なインタラクションを対象に,その状況認識に有用となり得る行動特徴の分析とモデル化を行っており,本研究課題の第一段階となる初年度成果としては,おおむね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように,インタラクション状況認識に有用な行動特徴に関する知見が得られつつあることから,次年度は,これらの成果を用いて,インタラクション状況認識の実現を目指していく.また,他の種類のインタラクションについても分析やモデル化を進めることにより,対象とするインタラクションの形態をさらに多様化することも考えている.
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