2011 Fiscal Year Annual Research Report
水中環境状態観測のためのユビキタス情報収集手法に関する研究
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23300074
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川端 邦明 独立行政法人理化学研究所, 理研-XJTU連携研究チーム, チームリーダー (90301754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武村 史朗 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (70455187)
鈴木 剛 東京電機大学, 工学部, 教授 (00349789)
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Keywords | システム工学 / 情報システム / ネットワーク / 海洋生態 / モニタリング |
Research Abstract |
当該年度は,水中環境データ収集支援の基礎となるセンサノードのハードウェアの設計・試作を中心に研究開発活動を行った. 定点観測のための水中定点センサノードの開発として,サンゴ礁等の目視観測において求められている多様な水深での調査に対応可能であるとともに,水中環境状態を外部に伝達可能な定点センサノード・プラットフォームのハードウェアの設計および試作を行った.試作した定点センサノードは,モジュール化されたセンサ部と通信部からなり,これらをテザーにより接続する形式をとった.センサ部は水深20m程度まで係留可能な耐圧・防水ケース内に小型カメラ,温度センサを設置したモジュールとして開発した.また,通信部は水上浮遊可能な防水ケース内に計算機をおさめたモジュールであり,無線通信を水上で行うことが可能となっている.両モジュール間は通信・送電ケーブルを内包したテザーにより接続されている.試作した定点センサノード単体を用い,プールにおいて基礎的な動作確認実験を行った. さらに,水中定点センサノードによる観測が困難な領域において詳細な観測が必要な箇所に移動することでデータ収集の補助を行う水中移動センサノードの設計・試作を行った,移動センサノード本体(移動部)に水中用スラスタ-を複数搭載することで,移動制御および姿勢制御を実現可能とした.移動部にはカメラを搭載し,テザーを通じて制御信号や画像情報を送受信し,水中での遠隔操縦やモニタリングが可能なプラットフォームの試作を行った.プラットフォームを用いてプールにおいて移動部に関する基礎的な動作確認実験を行った. 得られた成果は,関係学会や講演会,研究会などで報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題は,秋頃追加採択された研究課題であったため,時間が十分ではないことが懸念されたが,それまでの基礎的検討や研究開発準備状況が比較的整っていたことから,初年度の目的であったハードウェアの設計・試作やそれを用いた基礎的な実験による検証などの成果を得ることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も引き続き計画通り,ユビキタスに水中環境観測を支援する技術・システムに関する研究開発を実施していく.特に,開発するプラットフォームを用いて随時水中での実験や検証を行うことで,研究開発に適切なフィードバックをかけていくことで当初目標とした技術を確立していく.さらに,水中環境モニタリングの専門家(連携研究者として参加)からの意見も取り入れて,有用かつ適切な研究開発を進めていく. 本研究課題の遂行によって得られた研究成果等は,順次,関係学会の論文誌や国際会議,研究会等にて発表を行っていくとともに,知的財産についても積極的に検討を行う.
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Research Products
(2 results)