2012 Fiscal Year Annual Research Report
水中環境状態観測のためのユビキタス情報収集手法に関する研究
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23300074
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
川端 邦明 独立行政法人理化学研究所, 理研ーXJTU連携研究チーム, チームリーダー (90301754)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 剛 東京電機大学, 工学部, 教授 (00349789)
武村 史朗 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (70455187)
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Project Period (FY) |
2011-11-18 – 2014-03-31
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Keywords | システム工学 / 情報システム / ネットワーク / 海洋生態 / モニタリング |
Research Abstract |
当該年度は,前年度に開発を行ったセンサノードのプロトタイプを用いて,水中での基礎的なデータ収集実験を実施し,その結果に基づいてハードウェアの改良およびソフトウェアの開発,実装を中心に研究開発を行った. 水中定点センサノードの開発として,前年度開発したプロトタイプを用いて海で実験を実施し,水中画像等のデータをオンラインで取得できることを確認した.この際,波や海流の影響による通信ユニットの浸水や不安定な動作等の課題が発見され,対策としてハードウエアおよびソフトウエアの改良を行った.具体的には,システム構成簡略化および水密性向上のために,通信ユニットおよびセンサユニットにそれぞれ組込PC,電源を搭載して機能分散しつつ,ユニット容器の密封性を向上した.また,ソフトウエアのモジュール化と統合を行い,指定の時間間隔で同期した情報取得を行えるようにした.さらに,アンテナ構成変更により無線通信の接続性の向上,設置のために固定型フレームを作製した. 移動センサノードの開発として,前年度開発を行った移動センサノード・プロトタイプを基礎として,操作性を向上するために高性能スラスタを実装し,プールにおいて操縦・誘導実験を行った.陸上からの操縦指令を基に,イーサンネットケーブル経由で上下方向の移動,垂直方向の移動,旋回の制御性能を検証した.また,プロトタイプに搭載したカメラからの映像に基づいて遠隔操縦する実験も実施した. さらに,水中環境データ収集システム構築のための基盤の開発として,定点観測/移動センサノード共に画像,各種センサデータの取得を一定間隔で行ない,無線ネットワークを介して,データサーバにセンサデータを自動的に蓄積するソフトウェアの基礎的な設計・開発を行い,実験により機能することを実験により確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究者間で緊密に情報交換や協力,意思疎通を行いことで,順調に研究開発活動を推進することで,今年度目標としていた目標を概ね達成することができた.具体的には,定点観測センサノードの試作機を用いた実地での機能試験の結果,ハードウエアの機能向上およびソフトウエアの操作性と動作の安定性の向上という研究開発項目を達成することができた.移動センサノードについても,プロトタイプのハードウェア構成について改良を加えて駆動性能を向上させるとともに,水中での基礎的な制御実験,操縦実験を実施することで,設計した機能が実現できたことを確認できている.さらに,各センサノードで取得した画像や各種センサデータを無線ネットワーク通信に基づいて収集し,データ用計算機にオンラインで蓄積するために必要不可欠なソフトウェアの設計と基礎的な実装を行い,基本的な機能要件を満たしていることを確認できた. 次年度も引き続き,現在の研究開発体制を維持,発展させることで,本研究課題の当初の目標を達成することが十分可能である状態・状況にあるといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までの研究開発成果をうけて,計画に基づいて,当初目標としたユビキタスに水中環境観測を支援する技術・システムに関する研究開発を実施していく.特に,水中環境データ収集支援のためのセンサノード・プロトタイプおよび水中環境データ収集手法について高度化を行っていく.定点観測センサノードについては,長時間および複数台によるオンラインデータ収集を行うために必要不可欠な課題について研究開発を行うとともに,海での実験を繰り返し行うことで,性能評価を行う.水中移動センサノードについては,海での遠隔操縦実験を実施し,その結果をうけて制御システム,操作インタフェースの改良等による操作性向上に関する研究開発を行っていく.また,これらのセンサノードを無線ネットワークにより結合し,システムとして有機的に統合化することで水中環境データ収集システムの構築を試みる.特に,システムの基盤となる通信,データ収集に関するソフトウェアの高度化を試みる.最終的には,構築したシステムを用いた実験により,当初の目的を達成したことを検証していく予定である. 研究開発にあたっては,引き続き,本研究課題に連携研究者として参画しているサンゴ礁生態系および環境工学研究者の意見を基に,試作や実地機能試験を重ね必要機能と詳細仕様の検討を行っていくことで,有用かつ適切な水中環境データ収集を実現可能なシステムを構築していく. 本研究課題の遂行によって得られた研究成果等は,これまで通り,関係学会の論文誌や国際会議,研究会等にて発表を行っていく.また,知的財産化等についても積極的に検討を行う.
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Research Products
(9 results)