2011 Fiscal Year Annual Research Report
広島における核・被ばく学研究基盤の形成に関する研究
Project/Area Number |
23300096
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小池 聖一 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (70274024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布川 弘 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (30294474)
水本 和実 広島市立大学, 広島平和研究所, 教授 (20305791)
永井 均 広島市立大学, 広島平和研究所, 准教授 (40347620)
川野 徳幸 広島大学, 平和科学研究センター, 准教授 (30304463)
小宮山 道夫 広島大学, 文書館, 准教授 (60314720)
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Keywords | 平和 / 原爆 / 被ばく / 史資料 |
Research Abstract |
本年度、各研究分担者は、主に各自の担当分野においてデータの整理と分析作業を行った。このうち比較的作業が進展した部分について、各研究分担者は、その研究成果の一部を発表した。 川野(担当≧被爆者対策の国際比較)は、"Mapping the Fire Field near the Hypocenter of the Hiroshima A-bomb"および「原爆被爆者の体験記・メッセージに関する被爆区分別特徴」において被爆の実相に関する基礎研究の成果を明らかにした。また、被爆者対策の国際比較に関連して、チェルノブイリでの被ばく者について調査をすすめ、その成果を「チェルノブイリ・旧プリピャチ住民へのインタビュー記録」にまとめた。 水本(担当:核軍縮・核廃絶研究)は、オバマ米政権発足以降のグローバルな核軍縮・核廃絶に関する動きを中心に研究し、「オバマの登場で再浮上した核廃絶-2009年の核をめぐる動向と論調」などに成果をまとめた。布川(担当:原水禁運動・市民運動)は、被爆後に広島に進駐した英連邦軍の関連資料を発掘し、"Defeat and 'the City of the Dead'-In View of BCOF Personnel Occupying Kure and Hiroshima-"にまとめた。 永井(担当:初期治安対策の分析)は、敗戦後に日本に進駐した米太平洋陸軍についての調査を進め、他地域の事例として「象徴としてのマニラ戦-米太平洋陸軍の戦争犯罪捜査をめぐる断章」を国際シンポジウムで報告した。これらの研究実績は、いずれも担当分野の一部であり、今後の展開にともなってさらなる成果が期待されるものである。 なお資料整理班については、今年度は資料の収集と整理を重点的に実施した。このため目録の刊行など研究実績の公表は、次年度以降の見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料調査班については、資料の所在確認を行うとともに、関連する文書の目録作成作業を順調に進めている。次年度には一部の文書について仮目録の公開する見込みである。 ただ関係者からの聞き取り調査については、準備のための時間が欲しいということで当事者の承諾を得ることができなかった。このため今年度の予定を次年度に延期することとした。 研究班については、各担当者が個別の分野において研究を進めている。8月上旬に研究会を開催し、各自の進捗状況および資料の所在について情報交換を行った。また、研究の進展に応じて、その成果の一部を論文または学会報告で発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
資料整理班、および研究班については、おおむね当初の予定通り進捗しており、次年度も引き続き現在の作業を継続する。 ただ、本年度は聞き取り調査を行うことができなかった。次年度は新たに予備の候補者をピックアップし、当初の候補者が辞退した場合でも、確実に実施できる態勢を整えることとする。
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Research Products
(10 results)