2011 Fiscal Year Annual Research Report
健康危機管理のための突発的生起事象を検出する統計モデル
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23300107
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
丹後 俊郎 昭和女子大学, 生活機構研究科, 客員教授 (70124477)
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Keywords | 疾病集積性 / 尤度比検定 / ポアッソン分布 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の一つのテーマとして、突発事象が起きた地域の大きさ(クラスターサイズ)に関わらず短時間で、かつ、任意の形状の集積地域を正しく検出できる、真のflexible scan統計量の開発を検討してきた。現在のflexible scan統計量は検出できる実用上の最大クラスターサイズは、地域の構造により20から30程度で、それを超えると計算時間が膨大となり、大きなクラスターの存在が疑われる状況下では事実上適用が不可能となる問題が指摘されてきた。しかし、最近の研究で、circular scan統計量の欠点の一つである「真の集積地域より数倍から数十倍大きい集積領域を検出してしまう」性質の改善を検討するためにscan統計量のエンジン部分である尤度比検定統計量を改良して、リスクの小さい領域を呑み込まないような制約付尤度比検定統計量を検討したところ、その良い意味での副作用として「計算時間が飛躍的に減少することが判明した」。この方法論をflexible scanに適用して検討してきたところ、理論的な検討はほぼ終了し、クラスターサイズに関わらず計算時間と検出精度がともに大幅に向上されることが判明された。したがって、次年度ではその実用的アルゴリズムの検討に入りたい。これが実現できれば、クラスターサイズに関わらず計算時間と検出精度がともに大幅に向上されることが期待され、その可能性は高いと考えている。今年度の研究成果の一部は2011年度日本計量生物学会年会(大阪)、国際臨床生物統計学会(32th Annual Conference of the International Society of Clinical Biostatistics, Ottwa, Canada)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理論的研究が想定通りにすすんだため。
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Strategy for Future Research Activity |
理論的な検討はすでに終了し、実用的なアルゴリズムの検討の段階にはいっており、幾つかの方法を試しており、今後、大規模なシミュレーション研究(一部の計算は外部委託)に入りたい。シミュレーションにより一定の成果が得られれば、その実用性が担保されることになる。次年度以降では、並行して、二つめの研究テーマである「時空間的に成長している突発的事象の検出できる方法の開発研究」に着手する。
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Research Products
(2 results)