2011 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシス障害によるミクロドメイン依存性アミロイド産生亢進機構の解明
Project/Area Number |
23300128
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
櫻井 隆 順天堂大学, 医学部, 教授 (70225845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貫名 信行 (独)理化学研究所, 構造神経病理研究チーム, チームリーダー (10134595)
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Keywords | 脳神経疾患 / 痴呆 / 脂質 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の病理に中心的な役割を果たすとされるβアミロイドは、その前駆体蛋白質であるAPPが神経細胞内を軸索輸送された後に細胞内に取り込まれ、エンドソーム内のミクロドメインにおいてβ・γの2段階切断を受けて産生されると考えられている。我々は、これまでの研究を通して軸索輸送後にAPPがミクロドメイシを乗り換えること(ミクロドメインスイッチング)により、エンドソームにおけるβ切断が引き起こされる可能性を示してきた。本研究では、エンドソーム中に見出したミクロドメイン局在新規APP切断調節蛋白質の機能を明らかにし、エンドサイトーシス障害とアミロイド産生亢進の関連機序を明らかにすることを目的としている。 最近、β切断酵素であるBACE1がクラスリン非依存性エンドサイトーシス経路により細胞内に取り込まれることが報告された。当初の実験計画ではクラスリン依存性経路によるAPPと同じ経路を想定していたことから、BACE1エンドサイトーシス経路の解析を行うことは、エンドソーム中のAPP-BACE1相互作用・β切断の制御を明らかにする上で重要である。ミクロドメイン中に見出したAPP切断調節蛋白質のRNA干渉、変異体発現等を用いた機能解析と合わせて、BACE1のエンドサイトーシスを制御するArf6系との関連について検討を進めている。 並行して初代培養神経細胞において機能解析・イメージングを行うための条件検討及びAPP以外のBACE1基質のβ切断制御解析を行った。今後、ミクロドメインスイッチングとエンドサイトーシス、エンドソーム中のミクロドメインにおけるβ切断制御の関連解析を神経細胞において進めて行く予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
BACE1がクラスリン非依存性エンドサイトーシス経路により細胞内に取り込まれることが報告された。当初の目的を達成する上で重要であることから、その追試を行うとともに、予定を変更してクラスリン非依存性エンドサイトーシス経路によるBACE1輸送の解析を進めている。一部に遅れはあるものの、より具体的な輸送経路、制御分子が明らかになったことで、全体としてはほぼ予定通り研究が進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画にクラスリン非依存性エンドサイトーシス経路によるBACE1輸送の解析を加えることで、エンドソーム中のミクロドメインにおけるAPP・BACE1相互作用・β切断制御の関連解析を推進する。研究分担者と密接に協議しながらモデル動物における解析の準備を行うとともに、培養神経細胞におけう機能解析、イメージング解析を行う予定である。
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Research Products
(7 results)