2013 Fiscal Year Annual Research Report
エンドサイトーシス障害によるミクロドメイン依存性アミロイド産生亢進機構の解明
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23300128
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
櫻井 隆 順天堂大学, 医学部, 教授 (70225845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
貫名 信行 順天堂大学, 医学研究科, 客員教授 (10134595)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 脳神経疾患 / 痴呆 / 脂質 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の病理に中心的な役割を果たすとされるβアミロイドは、その前駆体蛋白質であるAPP からβ・γの2段階切断により産生される。神経細胞においては、APPが軸索内を順行性に輸送された後、シナプス前終末のエンドソーム内のミクロドメインにおいてβ切断が起こると考えられている。我々は、軸索輸送後にAPPがミクロドメインを乗り換えること(ミクロドメインスイッチング)により、エンドソームにおけるβ切断が引き起こされる可能性を示してきた。本研究では、エンドソームに見いだしたミクロドメイン局在新規APP切断調節蛋白質の機能を解析し、アルツハイマー病の最初期変化とされるエンドサイトーシス障害とアミロイド産生亢進への関与について明らかにすることを目的としている。 本年度は、APP切断調節蛋白質のAPP・BACE1輸送、エンドソームへの影響について、昨年度までの結果をもとにさらに解析を進めた。これらの結果とモデルマウスにおける局在解析から、APP切断調節蛋白質が病態と関係した神経細胞内APP輸送及びエンドソームの異常と関連していることが示唆された。また、並行してAPP 以外のBACE1基質のβ切断制御の解析を進め、検討した範囲内ではAPP選択的であることを確認した。今後は、培養神経細胞及び生体内の神経回路を維持した状態で解析が可能な脳スライス培養系において病態に対応した状況を再現し、APP切断・エンドソーム解析及びイメージングにより、APP切断調節蛋白質の関与を検討する。合わせて、APP 以外のBACE1基質のβ切断制御機構との比較解析をさらに進め、β切断制御における基質特異性を明らかにする予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一部に遅れ及び計画変更はあるものの、より生理的な神経回路を維持した脳スライス培養系及び病態に対応したモデルを機能解析に用いることで、今後の進展が期待される。全体としてはほぼ予定通り研究が進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者と密接に協議しながらモデル動物における解析を進める。APP以外のBACE1基質と比較しながら、新規APP切断調節蛋白質の機能及び基質特異性を明らかにし、病態と関連したエンドサイトーシス障害とアミロイド産生亢進との関連を明らかにすることを目指すとともに、創薬標的としての可能性を検討する。
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Research Products
(5 results)