2011 Fiscal Year Annual Research Report
オプトジェネティクスを用いた覚醒と依存形成に関わる神経機構の解明
Project/Area Number |
23300142
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
山中 章弘 生理学研究所, 細胞器官研究系, 准教授 (60323292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 謙二 生理学研究所, 分子生理研究系, 助教 (30329700)
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Keywords | 睡眠覚醒 / 依存 / 遺伝子改変マウス / オプトジェネティクス / オレキシン / パッチクランプ / チャネルロドプシン / ハロロドプシン |
Research Abstract |
我々は人生の1/3もの時間を睡眠に費やすにもかかわらず、睡眠覚醒がどのように調節されているのか未だによく分かっていない。また、アルコールやたばこなどの嗜好品や薬物などに精神依存が形成されるメカニズムも未だに十分解明されていない。これら一見全く独立した二つの生理現象が視床下部に存在するオレキシンを産生する神経(オレキシン神経)によって調節されていることが明らかになりつつある。本研究では、神経活動の光制御を可能にする分子をオレキシン神経特異的に発現させ、その神経活動を人為的に操作することによって、個体レベルにおいて睡眠覚醒調節および、依存形成のメカニズムを明らかにすることを目的としている。今年度は自己光刺激実験に使用する遺伝子改変マウスの作成と、自己光刺激装置の開発を行った。組織化学的解析によって、遺伝子改変マウスは目的の神経細胞にチャネルロドプシン2の十分な発現量が認められた。スライスパッチクランプを用いた電気生理学的解析によって、光照射を行うと正しく神経活動が制御出来ることを確認した。無線式の光刺激装置の開発が順調なことから無線式の自己光刺激装置の開発を進めている。また、抑制性の分子であるハロロドプシンやアークなどを特定の神経細胞に発現する遺伝子改変マウスの作成も進めており、組織学的解析、電気生理学的解析によって発現と機能を順次確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画にあった遺伝子改変マウスの作成は順調に進んでいる。一方、自己光刺激装置の改良が終了していない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は当初計画していた有線式の光刺激装置だけでなく、無線式の光刺激装置の導入も検討する。
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Research Products
(13 results)