2012 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー病モデルサル、脳におけるヒト変異型APP強制発現と老人斑形成
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23300155
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
中村 紳一朗 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 准教授 (50307980)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 明典 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 助教 (20324585)
西村 正樹 滋賀医科大学, 分子神経科学研究センター, 准教授 (40322739)
岡田 尚巳 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 神経研究所・遺伝子疾患治療研究部遺伝子治療技術開発室, 室長 (00326828)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルツハイマー病 / アミロイドβ / AAVベクター / カニクイザル |
Research Abstract |
変異型アミロイド前駆体タンパク(swAPP)とタグタンパクのFLAGを組換えたAAVを作製した。当初、血清型はAAV-2を予定していたが、神経系全体への親和性の良いAAV-1への変更を行った。1)swAPP+FLAG遺伝子を持つプラスミド、2)AAV-1の骨格遺伝子(AAV-1 rep, AAV-1 cap)を持つプラスミド、3)AAVの複製に関わるAdeno virusの遺伝子(adeno E2A, adeno E4)を持つプラスミド、これらを多量に培養、さらにAdeno virus由来遺伝子(Adeno E1A, Adeno E1B)が導入されたHEK293細胞(ヒト胎児腎由来)へトランスフェクトし、swAPP+FLAG+AAV-1が完成した。 swAPP+FLAG+AAV-1を乳のみマウス10匹、PBSを10匹に接種して、3ヶ月後に解剖した。各群5例を組織学的検索用としパラフィン切片を作製、5匹をタンパク質の検出用とし、可溶性分画と不溶性分画とに分けて抽出した。パラフィン切片を用いて、抗APP抗体、抗swAPP抗体および抗アミロイドβタンパク(Aβ)抗体の免疫染色を行ったが両軍の間に差は無かった。swAPP+FLAG+AAV-1が接種された群に抗FLAG抗体の陽性像は見られなかった。免疫染色と同じ各抗体を用いたウェスタンブロットでも両群の間には差が見られず、swAPP+FLAG+AAV-1接種群に抗FLAG抗体の陽性像が確認できなかった。Aβの分子種、Aβ40およびAβ42に対するELISAを行ったが、両群の間には差が無かった。接種法や評価法を含めて、再検討しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在までに、swAPP+FLAG+AAV-1のマウス脳への導入が確認できている必要があるが、まだ達成できていない。まずswAPP+FLAG+AAV-1がほ乳類細胞へ適切に導入可能かどうかIn vitroで確認してなかったこと、マウス脳においては接種の方法が不適切だったことが理由と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記を解決するため、培養細胞であるHEKを用い、swAPP+FLAG+AAV-1導入の確認と導入効率のチェックを行う。その上でマウス脳への接種を行うが、使用するマイクロシリンジの改良、乳のみマウスに加え、成齢マウスへステレオタキシックな方法でswAPP+FLAG+AAV-1を接種する。これらが確認できたら、サルに対してPittsburg Compound-B(PIB)を用いたアミロイド・イメージングのプレ撮像を行った後、早急にサルへの導入の試験を行う予定である。
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Research Products
(1 results)