2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300163
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70108223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 巍 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (60451944)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | バイオメカニックス / 人工臓器工学 / 生体物性 |
Research Abstract |
(1) 軟組織と接合する人工歯根.人工歯根の表面にメッシュ構造を設ければ皮下線維組織とデバイスを接合できることを統計的有意差をもって証明できた.しかし現状ではメッシュ構造を接着により作製しており臨床応用では耐久性に問題を生じる可能性がある.そこで更にメッシュ構造を焼結により製作する方法について検討し試作を行った結果,この製作法の有望性が示された.現在はこの人工歯根モデルについて動物実験を実施しており,臨床応用の可能性の高いデバイスとして完成させる予定である. (2) 骨と接合する靭帯再建デバイス.膝蓋靭帯を半割し片方を大腿骨の骨トンネル内に挿入して固定する動物実験モデルを開発して実験を行った結果,キチンを利用すれば自家腱組織の骨への接合強度が増加することが示された.現在は組織標本を定量評価して組織学的に有効性を評価する実験を進めている. (3) 骨表面および骨内部での骨増生技術.骨膜下にチタン棒を埋植する実験モデルを開発し,材料表面に種々の生体材料をコーティングしてその効果を評価する実験を行った結果,アパタイトコラーゲン複合体を利用すれば早期に骨を誘導できることが統計的有意差を持って検証した.更に形状の最適化に関する実験を進めて,従来の倍以上の接合強度を実現できるめどをつけた.これらの結果は実用化の可能性が高いことから特許を出願するとともに,医療系企業と交渉を開始して臨床応用への展開を図っている. (4) 組織を栄養する血管の吻合デバイス.簡易に血管吻合が可能なデバイスを試作して吻合実験を進めている.動物実験を行って個体レベルでは術後の開存性を確認することが出来ているが,組織切片作製技法など実験技術的な問題点から組織の評価にまではまだ進んでいない.現在は,さらに実験技術の改良を進めるとともに,デバイスの製作精度により再現性の良い結果を得られるようにしている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軟組織と接合する人工歯根と骨増生技術については期待以上の成果をみているが,吻合デバイスについては技術的な問題点からまだ統計的有意差の確認を得られていないので,全体としてはおおむね順調と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
計画としては順調に進んでいるので,大きな変更は必要ないと考えている.実験条件を変化させて最適な条件を探すといった現在の研究計画をそのまま進展させる予定である.
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Research Products
(3 results)