2011 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞内小器官の機械感受性と動的心筋バイオメカニクスの関係
Project/Area Number |
23300167
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
入部 玄太郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90284885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇元 修一 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 助教 (40452560)
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Keywords | 機械刺激 / ミトコンドリア / カルシウムスパーク / 機械電気帰還現象 |
Research Abstract |
我々はラット心筋細胞の伸展刺激によってカルシウムスパーク(筋小胞体カルシウム放出チャネルであるリアノジン受容体からの局所的で自発的なカルシウム放出現象)頻度が増加することを報告し、それに正常細胞骨格構造が必要なことを報告してきた。平成23年度はマウス単離心筋細胞を用いてオリゴマイシンとミトコンドリアの脱共役剤であるFCCPの併用によりATPの枯渇を防ぎつつミトコンドリア機能を抑制した標本を用い、これに伸展刺激を加えることによって引き起こされるカルシウムスパークの反応を解析することによりミトコンドリアと伸展誘発性のカルシウムスパーク増加との関連を検討した。その結果、比較的高濃度のFCCPによりミトコンドリア機能をブロックした場合には伸展刺激誘発性のカルシウムスパーク増加は抑制された。このことから伸展刺激誘発性のカルシウムスパーク増加は伸展によるミトコンドリアからのカルシウム放出が近傍の筋小胞体のリアノジン受容体からのCalcium-induced Ca releaseを引き起こすことが一因であることが示唆された。今後は伸展刺激によるミトコンドリア内のカルシウム濃度やミトコンドリアの膜電位が伸展刺激によってどのような変化を起こすかを確認する必要がある。 分担研究者の脇元とともに進めている新しい細胞伸展システムの開発は、これまでは細胞を把持するための上下のカーボンファイバーの位置を正確に合わせることが困難であったが駆動のためのエアチャンバーをひとつ増やすことで自由度を上げ、位置を正確に合わせることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に予定していた伸展誘発性のカルシウムスパーク増加におけるミトコンドリアの影響に関してはほぼ予定通りの目標を達成することができた。また、新しい細胞伸展システムの開発においても進展を見ることができ、ほぼ予定通りに進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ、上記のように順調に進んでおり、推進方策に関して特に変更を要しない。
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