2012 Fiscal Year Annual Research Report
心筋細胞内小器官の機械感受性と動的心筋バイオメカニクスの関係
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23300167
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
入部 玄太郎 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90284885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
脇元 修一 岡山大学, 異分野融合先端研究コア, 准教授 (40452560)
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Project Period (FY) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 機械刺激 / ミトコンドリア / カルシウムスパーク / 活性酸素 / 機械電気帰還現象 |
Research Abstract |
我々は心筋細胞の伸展刺激によってカルシウムスパーク(筋小胞体カルシウム放出チャネルであるリアノジン受容体からの局所的で自発的なカルシウム放出現象)頻度が増加することを報告してきた。我々は平成23年度までにこの現象にはミトコンドリアが関与しており,ミトコンドリアの脱共役剤であるFCCPを投与することにより伸展刺激誘発性のカルシウムスパークの増加を抑えられることを明らかにしてきた。平成24年度はどのようなメカニズムを介してミトコンドリアがこの現象に関与しているかを検討した。これまでの報告によると伸展刺激誘発性のカルシウムスパークの増加には伸展刺激誘発性の活性酸素(reactive oxygen species: ROS)増加が関与していることが示唆されているが,0.5μMのFCCPによってはこの現象を押さえることができないためミトコンドリアの関与は無いとされていた。しかしながら前年度までに我々は高濃度(5μM)のFCCPが伸展刺激誘発性のカルシウムスパークの増加を抑えることを確認しているため,同様に高濃度のFCCPを投与してミトコンドリア機能を完全にブロックしたところ,伸展刺激誘発性のROS増加を抑えることができた。このことからミトコンドリア由来の伸展刺激誘発性のROS増加がカルシウムスパークの増加のメカニズムの一端を担っていることが確認された。 分担研究者の脇元とともに進めている新しい細胞伸展システムの開発は,上下のカーボンファイバーの左右位置を正確に合わせる3チャンバータイプのエアアクチュエータのプロトタイプが完成し,実用実験の準備がほぼ整った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に予定していた伸展誘発性のカルシウムスパーク増加におけるミトコンドリアの影響に関してはほぼ予定通りの目標を達成することができた。また、新しい細胞伸展システムの開発においても進展を見ることができ、ほぼ予定通りに進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度は新しい細胞伸展システムを完成させ,これを用いて現在よりも大きい伸展負荷をかけた実験を行い,伸展刺激に対する細胞内小器官の反応の伸展量依存性を確認する実験を実施する。
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