2011 Fiscal Year Annual Research Report
脱細胞化生体組織を基盤とする組織完全復元化技術の開発
Project/Area Number |
23300177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岸田 晶夫 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (60224929)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 剛 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教 (10393216)
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Keywords | 再生医療 / 脱細胞化組織 / コラーゲン / 幹細胞 |
Research Abstract |
種々の生体組織を脱細胞化し、これらを組み合わせることによって、生体組織の完全復元化技術の開発を試みる。この研究の過程において、脱細胞化技術、再細胞化技術および組織複合化技術の開発を検討し、生体組織の再生を制御している必要な要素を探索する。本年度の成果については下記の通りであった。 (1)骨・皮膚組織・小口径血管の脱細胞化の検討 それぞれの組織について脱細胞化条件を検討した。骨髄の脱細胞化では、特に骨髄構造を残存させるように洗浄方法を工夫し、骨髄腔内の複雑な形態に対応できる洗浄の条件設定を行った。それぞれの組織について、高静水圧処理、界面活性剤処理を比較検討した結果、皮膚組織においては洗浄法による差異は小さかったが、他の2組織では、高静水圧処理において優れた構造維持が確認された。 (2)骨・小口径血管の生体内における再構築 骨組織を生体内に移植し、骨髄組織構造の再生について検討した。脱細胞化ブタ骨髄を皮下埋植したところ、骨髄様組織の形成を認めた。これについて、GFP遺伝子組換えマウスを用いた再移植実験を行い、骨髄再生の確認を試みた結果、移植骨髄内での造血現象を確認することができた。小口径血管については、2mm程度の血管への接合実験を行い、2週間までの血流確保および血管壁再生について確認した。 (3)角膜組織の再構築 脱細胞化ブタ角膜の上皮および内皮について、ブタ初代培養細胞を播種し、生体外再構築を試みた。上皮については良好な被覆が観察された。内膜についても同様の被覆と組織再生の兆候が観察された。これについては、ヒト細胞を用いて検討を継続中である。また脱細胞化ブタ角膜のウサギ眼に移植する際に、内膜だけを残して上皮・実質部を除去した深層角膜移植を行い、細胞組込実験のための基本データを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄を用いた研究が予想よりも進展が見込まれたので、筋肉についての研究を次年度以降に先送りした。骨髄については、想定以上の成果を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
組織ごとに進展に差があるが、組織完全再生が可能と考えられるものに注力しながら研究を進める。
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Research Products
(1 results)