2011 Fiscal Year Annual Research Report
高分子材料へのエフェクター機能創り込みによるインテリジェント・ナノキャリアの構築
Project/Area Number |
23300179
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
原田 敦史 大阪府立大学, 工学研究科, 准教授 (50302774)
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Keywords | 遺伝子ベクター / 高分子材料 / DNA凝縮 / ナノキャリア |
Research Abstract |
外部環境変化を的確にセンシングし、それに対応する構造変化というプロセシングの過程を経て、細胞内の定められたポジションでDNAが転写されやすい状態へと変化するエフェクター機能を高分子材料へ創り込むことにより効果的な遺伝子発現を示すインテリジェント・ナノキャリアを構築するという本研究の目的を遂行するために、エフェクター機能発現機構の解明に重点をおいて研究を行った。 様々な世代数のpolyamidoamine (PAMAM) dendronを合成し、その先端部へ分子量2000,5000のpoly(ethylene glycol)(PEG)鎖を導入することにより多分岐PEGを得た。得られた多分岐PEGの生理的条件下での排除体積の違いをGPC測定により検討し、排除体積が異なる多分岐PEGが得られたことを確認した。得られた多分岐PEGのフォーカルポイントより側鎖アミノ基がZ基により保護されたL-lysineN-カルボン酸無水物を開環重合させた後、側鎖Z基を除去することによってDNAとのpolyplex形成部位となるpoly(L-lysine)(PLL)を導入した。 得られた多分岐PEG鎖導入PLLとplasmid DNAとのpolyplex形成をアガロースゲル電気泳動により評価し、多分岐PEG部の排除体積がpolyplex形成の協同性に影響を及ぼすことを確認した。さらに、形成されたpolyplexの形態をAFM観察により評価し、多分岐PFG部の排除体積がpolyplex形態への影響を及ぼすことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り初年度にエフェクター機能を発現する要因の解明が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度に明らかとなったエフェクター機能発現のための要因を、今後は高分子材料へと創り込んでいくことで目的達成を目指して研究を遂行する。
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Research Products
(3 results)