2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子インプリント高分子を使った神経システム内D-アミノ酸挙動解析ツールの開発
Project/Area Number |
23300180
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉見 靖男 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (30267421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長濱 辰文 東邦大学, 薬学部, 教授 (70145001)
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Keywords | 分子インプリント高分子 / D-アミノ酸 / キラル識別 / 分子認識 / ゲート効果 / ナノ粒子 / センサ / バイオセンサ |
Research Abstract |
○アミノ酸の神経活動への影響 アメフラシロ球神経節の食道神経節にパルス状に電気刺激し、摂食を司る中枢パターン発生器(CPG)のリズミカルな出力を発生させた。この状態で、D-アミノ酸オキシダーゼを神経節に投与すると、CPG出力が停止した。ここに人工海水を加えて、D-アミノ酸オキシダーゼを洗い流すと、CPG出力が再び発生した。またD-アミノ酸オキシダーゼを加えて、CPG出力が発生しなくなったところへ、D-アスパラギン酸を加えると、CPG出力が再び発生した。この結果から、CPGにおいて、D-アミノ酸が重要であることが分かった。 ○分子インプリント高分子を用いたD-アミノ酸センサの開発 インジウム-スズ酸化物(ITO)電極に、光リビング重合開始剤を固定した。これを、鋳型としてのフェニルアラニンの存在下で、これに配位する機能性モノマー(メタクリル酸およびジメチルアミノエチルメタクリレート)および親水性架橋性モノマーメチレンビスアクリルアミドの共重合を行った。この電極でフェロシアン化物のサイクリックボルタメトリーを行ったところ、鋳型の存在に置いて電流値は増加したが、そのエナンチオマーの存在下では、電流変化が見られなかった。キラル特異性を持つセンサの開発に成功した。神経に埋め込めるほど小型化することが課題である。 ○酵素電極型D-アミノ酸センサの開発 フッ素ドープ酸化スズ(FT0)電極にオスミウム錯体高分子とペルオキシダーゼをキャストして乾燥した後、グルタルアルデヒドを含むD-アミノ酸オキシダーゼ溶液をキャストした。この電極はD-アミノ酸に対して、キラル特異的な応答を示した。本センサとMIPを利用したセンサの性能を比較する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
D-アミノ酸センサはほぼ完成し、D-アミノ酸の欠乏状態をD-アミノ酸オキシダーゼで創出できることが分かった。
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Strategy for Future Research Activity |
○現在、センシングはD=ファニルアラニンが成功している。今後はD-セリンやD-アスパラギン酸用のセンサを開発する。 ○D-アミノ酸センサを炭素繊維電極の表面に作製し、神経節内におけるD-アミノ酸の増減を検出する。
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