2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23300194
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
秋山 いわき 湘南工科大学, 工学部, 教授 (80192912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 教授 (10245053)
安田 是和 自治医科大学, 医学部, 教授 (40158001)
新田 尚隆 産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (60392643)
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Keywords | 音響放射力インパルス / 温度上昇 / 集束超音波 / 骨モデル / 熱電対 / 造影剤 / キャビテーション / 組織損傷 |
Research Abstract |
超音波を用いて生体内部で音響放射力を発生させる技術が最近実用化された。この技術で用いられる超音波は音響放射力インパルスと呼ばれ、従来の超音波診断装置で用いられる超音波と比べて集束度が高く持続時間の長いことを特徴としている。したがって、音響エネルギーが局所的に集中されることによるキャビテーションの発生とそれに伴う生体組織の損傷、ならびに音響エネルギーの増大による組織の温度上昇が懸念される。特に、増感作用のある超音波造影剤投与後に使用した場合には、従来の音響出力に関する規制値内でもキャビテーションが発生し、組織損傷が起こる可能性がある。本研究は、動物実験を行って超音波造影剤投与後に音響放射力インパルスを使用した場合の肝組織の損傷、心臓における組織損傷と不整脈発生への影響、肺組織の出血、骨近接組織における温度上昇を評価することを目的としている。 平成23年度では、音響放射力インパルスによる生体組織への影響を検討するために、生体組織模擬ファントムを用いた実験を行い,音響放射力を伴う超音波の音圧,持続時間,休止時間を変化させた場合の温度変化を測定した.測定されたデータを基に,動物実験を実施するための超音波照射システムを設計ならびに構築した。 [連携研究者] 工藤信樹北海道大学大学院・情報科学研究科ファントム実験に関する検討 桑田知之自治医科大学・医学部動物実験システムに関する検討 鎌倉友男電気通信大学大学院・情報理工学(系)研究科理論的検討および実験による確認 渡辺好章同志社大学・生命医科学部音響放射力インパルスに関する検討
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験実施のための、音響放射力インパルス発生装置、温度上昇測定装置を設計、構築した。TMMによる温度上昇測定用ファントムを製作して、骨モデルの温度上昇を測定したところ、熱電対表面のviscousheatingによる発熱が見られたが、おおむね数値計算結果に近い温度上昇を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
温度測定システムにおいてviscous heatingを低減する方法を検討する。信号処理的手法や熱電対の先端加工(モールド)、フィルム熱電対の使用などを検討し、より抑制効果の高い方法を選択する。その上で、動物実験への適用を図ってゆく。肝組織に対する実験方法は以下の通りである。ウサギ35羽を4群に分け、(1)いずれの処置も行わないコントロール群5羽、(2)超音波のみを照射した群10羽、(3)超音波造影剤のみを照射した群10羽、(4)超音波造影剤の注射後超音波を照射した群10羽とする。場所は、自治医科大学実験センターで行い、実験後適切な時間経過した後、肝臓を摘出し、組織標本ならびに電顕標本を作成する。また、採血による血液検査項目として、一般的な肝機能とされる、ALP、AST、ALT、LDH以外にCK、凝固機能について実験前後に検査を行う。同様に、照射部の発熱作用の有無を測定する。照射は、肝中心部、骨に接した部分、肺に接した部分に分けて実施する。
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Research Products
(2 results)
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[Presentation] 超音波照射と温度上昇2011
Author(s)
新田尚隆, 工藤信樹, 秋山いわき
Organizer
日本超音波医学会関東甲信越地方会第23回学術集会
Place of Presentation
TFTホール(東京都)
Year and Date
2011-10-29
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